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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻12号

2004年12月発行

文献概要

医療不信はどうして起こったか

著者: 榊寿右1

所属機関: 1奈良県立医科大学

ページ範囲:P.1199 - P.1200

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 今日ほど医療不信がやかましく言われている時代はない.どうしてこのようになってしまったのか.しかしよく考えてみると,“不信”はなにも医療に限ったことではない.これは世の中に広く蔓延してしまっている“自己中心人間の増加”によって引き起こされた重大な社会問題の中の1つにすぎないなのだ.

 数カ月前,NHKスペシャルで医療不信の問題を取り上げていた.そして,NHKのアナウンサーが“なぜ今日,こんなに医療不信になってしまったのか”と繰り返し声をあげていた.修練の不足を言う声もあったが,“誰もがやってはいけないと当然わかっているミスを平然と起こしていることに不信の原因がある”というのが本当の所であろう.しかしその番組に出席していた人たちの中から誰一人,現在の日本に存在するもっと根深い,日本人が忘れ去ってきた根幹的な問題,つまり“やってはならないミスを起こして平然としていられる精神構造への変化”にこそ問題があることを話題にする人はいなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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