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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻12号

2004年12月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

てんかんに対する脳神経外科手術手技

著者: 有田和徳1 栗栖薫1 飯田幸治1 青山裕彦2

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経外科学 2広島大学大学院医歯薬学総合研究科解剖学および発生生物学研究室

ページ範囲:P.1215 - P.1227

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 Ⅰ.はじめに

てんかんの手術療法は,大きく分けて3種類に分類することができる.第1は,発作焦点を切除する切除手術.これには,①単一あるいは隣接する複数の脳回を切除する脳回切除術,②脳葉切除術,③一側大脳半球を切除する半球切除術が含まれる.第2は,発作波の他部位への伝搬を遮断しようとする遮断手術である.これには,交連線維切截術(脳梁離断等),軟膜下皮質多切術(MST),機能的大脳半球切除,定位的Forel-H野破壊術などが含まれる.第3は電気的刺激によるてんかん発作の抑制である.刺激の部位としては小脳,視床前核,尾状核などがある.最近は迷走神経電気刺激,視床下核電気刺激が登場し,その効果が期待されている.

 本稿では,このように多様なてんかんの外科手術のうち,最も一般的な前部側頭葉切除(anterior temporal lobectomy),選択的海馬扁桃体切除 (selective amygdalohippocampectomy),脳梁離断 (corpus callosotomy)について,局所解剖と実際の手術手技を概説する.これらの手術手技のエッセンスは,てんかんの外科治療のみならず,その他の疾患にも応用可能であり,一般の脳外科医にも必要な素養である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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