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文献概要
解剖を中心とした脳神経手術手技
破裂急性期椎骨動脈解離性動脈瘤に対する血管内治療
著者: 杉生憲志1 徳永浩司1 伊達勲1
所属機関: 1岡山大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.1229 - P.1238
文献購入ページに移動椎骨動脈解離性動脈瘤(vertebral artery dissecting aneurysm: VADA)は従来比較的稀な疾患とされてきたが,1990年代より特に本邦からの報告が相次ぎ,最近では予想以上に多い疾患と認識されている3,6,14,16,20,21,25,29).さらに出血発症のVADAは急性期,特に24時間以内に再出血を高率に来し予後を悪化させることがわかってきた3,13,16,21,25).すなわち,早期の的確な診断・治療が特に求められている疾患といえる.
脳神経血管内治療はその低侵襲性に加え,近年のカテーテル・塞栓物質等手術機器の開発・改良等に伴ってその安全性・有効性が高まり,急速に発展してきた.本治療は開頭術に比して低侵襲で,より早期に治療開始が可能であるという特徴から超急性期破裂VADAに対する有望な治療法として最近脚光を浴びている8-11,16,20,25,30).本稿では超急性期破裂VADAに対する血管内治療について自験例を中心に解説を加える.
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