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研究
皮質動脈破綻による急性特発性硬膜下血腫の検討
著者: 石井卓也1 沢内聡2 田屋圭介3 大塚俊宏2 高尾洋之1 村上成之2 諸岡暁3 結城研司3 阿部俊昭1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学脳神経外科 2東京慈恵会医科大学柏病院脳神経外科 3富士市立中央病院脳神経外科
ページ範囲:P.1239 - P.1244
文献購入ページに移動急性硬膜下血腫は通常,交通事故,転落などの頭部外傷後,脳挫傷もしくは架橋静脈の破綻が出血源となるが,外傷が極めて軽微であるか,もしくは既往がない症例が存在する.このような症例は,われわれの渉猟しえた限りでは,1934年にMunro13)が非外傷性急性硬膜下血腫として報告したものが最古である.その後,1971年にTalallaら20)が外傷機転のはっきりしない8例を急性特発性硬膜下血腫として報告して以来,同様の症例が蓄積され,非外傷性に皮質動脈の破綻を来し硬膜下血腫を生じる病態として理解されている.
われわれは,皮質動脈の破綻による急性特発性硬膜下血腫8例を経験した.これらの臨床的特徴について考察を加え報告する.
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