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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻2号

2004年02月発行

文献概要

研究

悪性脳腫瘍に対するstereotactic biopsy―合併症と診断率について

著者: 高橋英明1 菅井努1 宇塚岳夫1 狩野瑞穂1 本間順平1 イゴリグリニョフ1 田中隆一1

所属機関: 1新潟大学脳研究所脳神経外科分野

ページ範囲:P.135 - P.140

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 Ⅰ.はじめに

悪性脳腫瘍の治療に当たって,組織診断がその治療方針の決定や予後の推定に重要であることは周知のことである3,4,6).多くの悪性脳腫瘍において可及的全摘を目指すことが治療において有利であり,また腫瘍のmass effectを減ずる目的から開頭術による生検術が選択されることが多い.しかし,高齢者やperformance statusの不良例,脳の深部腫瘍,多発性病変といった,開頭術により部分ないし全摘出が不可能な症例においては定位脳手術による腫瘍生検術の適応となることも少なくない.stereotactic biopsyを選択するうえでの最大の注目点は合併症率,特に出血率と診断確定率であると考えられる.ことにインフォームドコンセントをするうえで不可欠な情報である.一施設における一定の方法による多数例の報告は,自験例の提示としても他施設との比較においても必要であろう.今回われわれは,臨床診断において悪性脳腫瘍と診断された201例のstereotactic biopsyを経験したので,その成績および合併症について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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