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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻2号

2004年02月発行

文献概要

症例

MRIによる脳幹周囲の解剖学的検討が有用であった脳幹損傷の1例

著者: 柴田將良1 守田誠司1 石坂秀夫2 白水秀樹2 秋枝一基1 池谷義守2 飯塚進一1 儘田佳明2 松前光紀2 猪口貞樹1

所属機関: 1東海大学医学部救命医学 2東海大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.173 - P.176

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 Ⅰ.はじめに

外傷性一次性脳幹損傷には,diffuse brain injury(DBI)の重症例に伴うものではなく,比較的軽度な外力により発生し,受傷直後からの意識障害も遷延せずに転帰良好な例が存在することが指摘されている3,4,9-12).このタイプの脳幹損傷はテント切痕縁による脳幹の局所性損傷とされ,側方からの外力によって打撲部と同側で,テント切痕縁と脳幹の距離が最も近い脳幹側方部に病変が生じると考えられている10,11)

 今回,われわれは右頭部を打撲した頭部外傷で対側の局所性中脳損傷例を経験し,magnetic resonance imaging(MRI)によって中脳とテント切痕縁の距離の左右差が,損傷の機序に関与したと示唆された1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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