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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻3号

2004年03月発行

文献概要

連載 定位脳手術入門(4)

マイクロレコーディング

著者: 橋本隆男1

所属機関: 1信州大学医学部第三内科

ページ範囲:P.297 - P.303

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 Ⅰ.マイクロレコーディングの目的

マイクロレコーディングは,先端の記録部(非絶縁部)が小さくインピーダンスの大きい微小電極を用いて単一神経細胞(ニューロン)あるいは単一神経線維の活動電位を細胞外記録で記録するものである.一方,インピーダンスがやや小さい準微小電極を用いるセミマイクロレコーディングは,多くのニューロン活動の複合電位を記録する.マイクロレコーディングであれセミマイクロレコーディングであれ,定位脳手術でニューロン記録を行う目的は,ターゲットとその周辺のオリエンテーションを得ること(マッピング)が第一である.現在の脳画像の解像度では,画像所見のみに基づいて破壊術や電極植え込み術を行うことは誤差が大きい.脳画像に電位記録を併用することにより,確実にターゲット座標を把握でき十分正確な手術が可能となるのである.セミマイクロレコーディングは,ニューロンが集まった部位(神経核)とニューロンのない部位(神経線維束,白質)とを複合電位の量で識別するのに対し,マイクロレコーディングは単一ニューロンあるいは神経線維の発火パターンから神経核と白質の識別のみならず神経核内の機能構造も判別できるのでより詳細な情報が得られる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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