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症例
神経線維腫症1型に多発性脳動脈瘤,血管奇形を合併した1例
著者: 藤本基秋1 中原一郎1 田中正人1 岩室康司1 渡邉芳彦1 原田啓1
所属機関: 1社会保険病院小倉記念病院脳神経外科
ページ範囲:P.355 - P.359
文献購入ページに移動神経線維腫症1型(Neurofibromatosis Type1,以下,NF1)は通常,第17染色体の遺伝子異常によって引き起こされる常染色体優性遺伝疾患であるが,孤発例も多く,頻度としては3,000~5,000人に1人とされる8).臨床的には末梢のカフェオレ斑(café au lait spot),神経線維腫,虹彩の過誤腫など外胚葉系の異常8)が中心であるが,側彎症,蝶形骨大翼の低形成といった骨形成障害8)のほか,腎動脈,腹部大動脈の狭窄・動脈瘤などの血管病変3,8)も報告されており,中胚葉系の異常も認められる.今回われわれは,くも膜下出血を発症したNF 1の女性に,多発性脳動脈瘤に加え,遺残三叉神経動脈(Persistent primitive trigeminal artery,以下,PPTA),中大脳動脈窓形成(fenestration of middle cerebral artery)の合併がみられた症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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