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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻4号

2004年04月発行

文献概要

症例

重症頭部外傷14年後に髄膜炎にて明らかとなった潜在性髄液漏の1例

著者: 川本仁志1 田口治義1 湯川修1 黒木一彦1 大下純平1 石原博文2

所属機関: 1厚生連廣島総合病院脳神経外科 2石原脳神経外科病院

ページ範囲:P.373 - P.377

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 Ⅰ.はじめに

外傷性髄液漏に,頭蓋骨骨折と硬膜損傷の存在が,強く関与しているといわれている3,7,14,15,20,22).正中側前頭蓋底骨折に多く,また,受傷早期,とりわけ24時間以内の出現が多いが,比較的稀ながら,数年以上経過後に明らかとなる例も知られている7,26).一方で,意識障害ゆえに,髄液漏に気づかれないことも,しばしば経験される6)

 今回われわれは,受傷当時,高度意識障害,内頸動脈損傷,水頭症などに対し手術加療後に自立生活に復帰し,14年以上後に明らかとなった,潜在性髄液漏の1例を経験した.水頭症術後で,髄膜炎を合併し気づかれた,潜在性髄液漏に対する治療方針について考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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