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文献概要
症例
Blister-likeからSaccular typeへと変化した内頸動脈前壁動脈瘤の1手術例
著者: 古賀さとみ1 原真弥1 宮城尚久1 広畑優1 安陪等思2 徳富孝志1 重森稔1
所属機関: 1久留米大学医学部脳神経外科 2久留米大学医学部放射線科
ページ範囲:P.383 - P.387
文献購入ページに移動内頸動脈前壁動脈瘤は内頸動脈C2部の前壁に血管分岐とは無関係に生じる動脈瘤を指し,その頻度は全内頸動脈瘤の0.9~6.5%と報告されている9,11).一般に内頸動脈前壁動脈瘤は通常の囊状動脈瘤のようなneckがなく形態的にはチマメ型またはblister type aneurysmと表現され,動脈瘤壁が脆弱であることより直達手術のリスクが高く,根治術も困難とされている9,10).
今回われわれは,初回脳血管撮影にてblister-like aneurysmの形状を認めたが,経過中に囊状増大様の変化を呈し,待機的にネッククリッピングを行い得た内頸動脈前壁動脈瘤の1例を経験した.そこで本症例の経時的な形態変化と治療方針を中心に文献的考察を加えて報告する.
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