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症例
胸部大動脈解離による一過性脳虚血発作の1例
著者: 安喰稔1 高田達郎2 野越慎司2 山田幸司1
所属機関: 1伊達赤十字病院神経内科 2国立循環器病センター内科脳血管部門
ページ範囲:P.389 - P.392
文献購入ページに移動胸部大動脈解離は診断が遅れると致死率の高い疾患であるが,約10%は特徴的疼痛を欠くといわれている4).また,神経症候の合併も稀ではなく,典型的疼痛を欠き,神経症候のみを呈する例も報告されている2,5,8-10).頸部血管エコー検査は頸部血管を非侵襲的に迅速に診断することが可能な検査である.近年,頸部血管エコー検査にて診断された疼痛を伴わない大動脈解離による脳血管障害の報告が散見されるようになった5,8-10).今回,われわれは頸部血管エコー検査にて総頸動脈起始部のintimal flapと総頸動脈の狭窄を認め,一過性脳虚血発作で発症した胸部大動脈解離の1例を経験した.
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