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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻5号

2004年05月発行

文献概要

連載 定位脳手術入門(6)

視床手術(刺激術)

著者: 杉山憲嗣1

所属機関: 1浜松医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.531 - P.539

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 Ⅰ.はじめに

人間が電気刺激の治療効果に気付いたのは古く,エジプト時代,またはギリシア・ローマ時代に遡る.エジプトやポンペイの壁画には,おそらく治療に使ったと思われる電気発生魚の絵があり,AD1世紀のローマの医師Scribonius Largusの著書には,頭痛,痛風の治療に「シビレエイ」を使用する記述が存在する4).脳深部や脊髄後索に対する今日的な意味での電気刺激療法も,当初の開発は頑痛症に対して行われたものであり6),その後,種々の不随意運動や姿勢異常に対して脳深部電気刺激療法が開発されていった1,3,5).以上のような過去の歴史があるため,現在でも視床に対する脳深部刺激療法には,大略すると頑痛症に対するVc核(Nucleus Ventro-caudalis)刺激と不随意運動に対するVim核(Nucleus Ventro-imter-medius),Vo核(Nucleus Ventro-oralis)刺激が存在する.本稿ではパーキンソン氏病を中心とした不随意運動に対する視床脳深部刺激療法に的を絞り,その具体的な方法などを紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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