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連載 頭蓋骨腫瘍の臨床と病理(2)
骨腫・良性骨芽細胞腫・骨肉腫
著者: 河本圭司1 稲垣隆介1 塚崎裕司1 龍尭志1 植村芳子2 坂井田由紀子2 中嶋安彬3
所属機関: 1関西医科大学脳神経外科 2関西医科大学病理検査部 3京都大学医学部附属病院病理部
ページ範囲:P.549 - P.556
文献購入ページに移動1.定義
主に層状構造を示す分化した成熟骨組織からなる良性病変で,ゆっくり成長し5),基本的には板間層から発生した腫瘍であり外板,内板の両方が膨隆する18).外傷や感染,髄膜腫などの浸潤により誘発されることもある15).Fibrous dysplasia等のいわゆるfibro-osseous lesion(fibro-osseous dysplasia)の陳旧化に伴う骨硬化性病変も含まれている可能性がある.組織学的には緻密(象牙様)骨腫(compact type)と通常の海綿骨に近い海綿状骨腫(cancellous type : spondy osteoma)とに分けられる.大脳鎌や,上矢状洞部の硬膜下面に付着してosseous plaquesが剖検時の偶発所見としてみられることがあり,無症状で臨床的意義に乏しく,osteomaと呼ばれる場合もあるが,これらは反応性・化生性の病変と思われ,慢性腎不全とともにみられる場合が多い6,10).
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