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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻6号

2004年06月発行

文献概要

研究

重症くも膜下出血の治療成績―vasospasmに対する治療の変遷

著者: 後藤泰伸1 山形専1

所属機関: 1倉敷中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.579 - P.584

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 Ⅰ.はじめに

破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血(SAH)の治療はこの10年あまりで大きく変化してきた.顕微鏡手術が進歩してきたことにより急性期のclippingはほとんどの施設で行われるようになった.またGuglielmi Detachable Coil(GDC)による動脈瘤の塞栓術も一般化し,後頭蓋窩の動脈瘤治療の成績はclippingに比肩するほどになっている3,4,5,10).脳血管れん縮(vasospasm)に対する輸液,特にバランスや昇圧,希釈などに注意を払うようになったことも,fasudil,ozagrelなどを使用するようになったのもvasospasmの発生率を減らしている16,18,19).いったんvasospasmになれば血管形成術(PTA)や塩酸papaverine(PPV)の選択的動脈内投与も行われる7,8,20)

 これらによりSAHの治療成績はよくなっているのだろうか.World Federation of Neurological Society(WFNS)gradeのⅠ~Ⅲまでの比較的軽症群では改善していると考えられているが,重症SAH(gradeⅣ,Ⅴ)についてはあまり報告がなく,評価も様々である4,6,10,12,17)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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