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文献概要
症例
不完全コイル塞栓術後の脳動脈瘤に対する外科治療
著者: 黒田敏1 牛越聡2 新谷好正1 長内俊也1 石川達哉1 瀧川修吾3 宝金清博4 岩崎喜信1
所属機関: 1北海道大学医学研究科脳神経外科 2北海道大学医学研究科放射線科 3市立千歳市民病院脳神経外科 4札幌医科大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.645 - P.650
文献購入ページに移動近年,Guglielmi detachable coil (GDC)が開発されて以来,破裂あるいは未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術が広く実施されるようになっている.これまで本法は,外科的に到達するのが困難な場合や,重症くも膜下出血の場合などに,特に有効な治療手段となりうることが確認されており,今後,ますます重要な治療手段の選択肢になると思われる.外科治療が不可能あるいは不完全だった場合に,コイル塞栓術を追加することで根治可能であった症例も報告されている9).しかし,これとは逆に,コイル塞栓術が不完全で頸部の残存を認めたため,なんらかの追加治療が必要となった症例も,国内外で報告されるようになってきた.特に,追加治療として外科治療を行う場合には,通常の脳動脈瘤に対する外科治療とは異なる注意点も指摘されており,安全な治療を遂行するうえで,その経験を共有することが重要と考えられる1,4,5,7,8).
最近,われわれは,このような症例を3例経験したので,外科治療を行ううえでの注意点を中心に報告する.
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