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報告記
The 7th Japanese and Korean Friendship Conference on Surgery for Cerebral Stroke(2004年6月4日~5日)
著者: 藤村幹1
所属機関: 1東北大学脳神経外科
ページ範囲:P.760 - P.761
文献購入ページに移動 第7回Japanese and Korean Friendship Conference on Surgery for Cerebral Stroke(JKFC)は韓国カトリック大学(The Catholic University of Korea)のDal Soo Kim教授をPresidentとして韓国慶州(Gyeongju)市郊外のリゾート地である普門湖畔のホテル現在(Hotel Hyundai)にて,6月4日から5日まで開催された.慶州は紀元前57年から紀元935年まで992年の間栄えた新羅(Shilla)の首都という韓国の代表的な歴史都市である.人口29万の古都で「慶州歴史遺跡地区(Gyeonju Historic Areas)」として世界文化遺産に登録されている.成田空港から2時間ほどで釜山の金海空港に到着した.初めての韓国への入国であったが入国審査は簡便で空港職員など日本語が流暢な人が多いことに驚いた.金海空港から高速バスで90分ほどで慶州市内に到着した.バスターミナルで学会事務局のスタッフに迎えられ,韓国式の家々がならぶ(歴史都市としての外観を保つため建築に規制があるとのこと)町並みを眺めながら学会会場へ移動した.6月4日の昼頃の到着となったが第1日目であるこの日には本学会のsocial programとしての慶州市内観光が行われていた.それを追いかけるように筆者自身もいくつかのスポットを訪れた.町全体が歴史遺産であるような慶州であるが,中でもユネスコ登録・世界文化遺産に指定されている仏国寺(Bulguksa Temple)と石窟庵は韓国を代表する歴史遺産であり,social programの目玉でもあった.仏国寺は紀元751年に時の宰相である金大城により創建された繊細な芸術性と気品に満ちた建築であった(Fig.1).また国立慶州博物館で韓国の小学校の修学旅行に混じり新羅の歴史に触れた.快活な子どもたちを見て韓国の明るい将来を感じ,生徒たちに日本語で話しかけられることで今までの自分のイメージと異なる現在の日韓関係を感じた.同日夕方には学会会場にてwelcome partyが催された.会場は日韓両国からの多くの参加者で埋まっており,翌日の活発なscientific programにおける交流が期待された.
JKFC(KJFC)は韓国カトリック大学脳神経外科のJin Un Song前教授を初代会長に始まり脳卒中の外科に携わる日韓の脳神経外科医の学術的交流,親睦を目的に2年ごとに韓国と日本にて開催されている.今回も上述した6月4日のsocial programと6月5日のscientific programの2日からなっており活発な学術的・文化的交流がなされた.6月5日の学術集会では日韓両国から特別講演(Keynote Address),一般演題あわせて82題と,ポスター発表86題の演題が発表され盛会であった.Kim会長の開会の挨拶の後に,日本からは岩手医科大学の小川 彰教授のJET studyに関する特別講演,そして韓国からはYonsei大学のKyu Chang Lee教授の血管外科医のあるべき姿についての特別講演にて始まった.「若い脳外科医はart of the aneurysmを学ぶよう心がけるべきである」とのLee教授のコメントや,Yasargil教授が13年,弟子として修行を積みさらに1年animal surgeryでトレーニングをした後に初めて動脈瘤の手術をする機会を与えられた,というエピソードなど日韓両国の若い脳外科医にとっても大変印象深いセッションで本学術集会は始まった.6題の特別講演の後に一般演題の発表が行われたが,日韓両国の脳血管障害の治療への情熱の高さがうかがわれる発表が続いた.
JKFC(KJFC)は韓国カトリック大学脳神経外科のJin Un Song前教授を初代会長に始まり脳卒中の外科に携わる日韓の脳神経外科医の学術的交流,親睦を目的に2年ごとに韓国と日本にて開催されている.今回も上述した6月4日のsocial programと6月5日のscientific programの2日からなっており活発な学術的・文化的交流がなされた.6月5日の学術集会では日韓両国から特別講演(Keynote Address),一般演題あわせて82題と,ポスター発表86題の演題が発表され盛会であった.Kim会長の開会の挨拶の後に,日本からは岩手医科大学の小川 彰教授のJET studyに関する特別講演,そして韓国からはYonsei大学のKyu Chang Lee教授の血管外科医のあるべき姿についての特別講演にて始まった.「若い脳外科医はart of the aneurysmを学ぶよう心がけるべきである」とのLee教授のコメントや,Yasargil教授が13年,弟子として修行を積みさらに1年animal surgeryでトレーニングをした後に初めて動脈瘤の手術をする機会を与えられた,というエピソードなど日韓両国の若い脳外科医にとっても大変印象深いセッションで本学術集会は始まった.6題の特別講演の後に一般演題の発表が行われたが,日韓両国の脳血管障害の治療への情熱の高さがうかがわれる発表が続いた.
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