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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻7号

2004年07月発行

文献概要

連載 定位脳手術入門(8)

パーキンソン病に対する淡蒼球刺激術

著者: 小倉光博1 田中賢1 西林宏起1 板倉徹1

所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.763 - P.772

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 Ⅰ.はじめに

 神経疾患によって引き起こされた機能障害を,外科的に改善せしめるのが機能的脳神経外科である.パーキンソン病に対する定位脳手術は機能的脳神経外科手術の代表的なものであり,古くより多くの先人達によって改良が重ねられ進歩してきた.手術部位では視床,淡蒼球内節に視床下核が加わり,それぞれの症状に応じて適切な手術部位が選択できるようになった.また,手術方法では脳深部刺激術の開発により可逆性と調節性を得て,さらに安全性が増した.画像処理技術の進歩によりMRIガイド下でターゲット設定が可能となり,多くの施設では脳室造影を行う必要がなくなった.将来的にはナビゲーションシステムなどを用いたフレームレス手術が主流になっていくであろう.

 淡蒼球内節は大脳基底核の出力核のひとつであり,大脳基底核内で統合処理された運動情報を視床に伝達する重要な部位である.淡蒼球内節の手術は古くから行われており,破壊術から刺激術に移行し,なおその有効性は認められている.本論文では淡蒼球刺激術について,その理論的背景から手技,手術の実際,効果,作用機序などについて解説していきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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