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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻8号

2004年08月発行

文献概要

総説

脳腫瘍における腫瘍幹細胞 (Cancer Stem Cell) の存在

著者: 中野伊知郎1 Houman D3 Harley I12

所属機関: 1 2 3

ページ範囲:P.827 - P.834

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 Ⅰ.はじめに

 近年,いくつかの臓器由来の悪性腫瘍から腫瘍幹細胞(cancer stem cell)が単離されたとの報告が相次いでいる1,2,5).腫瘍幹細胞とは,腫瘍内で自己複製し,かつ様々な種類の分化細胞を生じ二次腫瘍を形成する元となる細胞である.

 頭蓋内腫瘍では,神経膠腫や髄芽腫などの小児脳腫瘍と神経幹細胞(neural progenitor cells)との類似は以前より示唆されてきた9)が,最近,ある種の小児脳腫瘍に腫瘍幹細胞が存在するとの報告がわれわれを含む複数のグループから提出された5,10).以下,腫瘍幹細胞に関する最近の知見とその臨床的意義について論ずる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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