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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科32巻8号

2004年08月発行

文献概要

連載 定位脳手術入門(9)

視床下核刺激術

著者: 深谷親1 片山容一1

所属機関: 1日本大学医学部脳神経外科教室・大学院医学研究科応用システム神経科学

ページ範囲:P.887 - P.893

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 Ⅰ.はじめに

 視床下核(STN)の脳深部刺激療法(DBS)は,パーキンソン病(PD)に対する機能神経外科的治療法として,ここ数年の間にめざましい発展をみせた2).PDモデル動物における研究により,その症候にSTNも重要な役割を果たしていることは以前から指摘されてきた.しかし,へミバリスムスを起こすかもしれないという懸念から,STNの破壊には躊躇せざるを得なかった.

 そこでBenabidら1,16)は,DBSが凝固術よりも副作用を起こしにくいという経験に基づいてSTN-DBSを試みた.これによって,刺激であれば,両側でも安全に行え,無動,固縮,振戦のいずれの症候にも高い治療効果のあることが明らかとなった12,13).この結果からSTN-DBSは薬物療法の限界を克服する新しい治療として注目を集めた.本稿では,STN-DBSのための定位的電極留置術の基盤となる概念と実際の手術の手順を中心に記載し,最後にその効果と合併症についても簡単にふれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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