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症例
くも膜下出血で発症し,血管内手術で治療し得た医原性内頸動脈海綿静脈洞部動脈瘤の1例
著者: 黒木一彦1 田口治義1 湯川修1 川本仁志1 大下純平1 隅田昌之2 大庭信二3
所属機関: 1厚生連廣島総合病院脳神経外科 2安佐市民病院脳神経外科 3広島大学脳神経外科
ページ範囲:P.955 - P.959
文献購入ページに移動外傷性脳動脈瘤の頻度は全脳動脈瘤の0.5%程度とされており,手術操作に起因する動脈瘤の頻度はさらに少ない.多くは頭蓋底脳腫瘍,下垂体腫瘍摘出による内頸動脈,特に海綿静脈洞部に多いと報告されている3,10,11,13,15,17,18).
われわれは髄膜腫手術2年後にくも膜下出血で発症した海綿静脈洞部動脈瘤を経験した.手術操作によって生じた仮性動脈瘤と考えられたが,血管内手術にて動脈瘤塞栓術を施行し,良好な結果を得た.医原性・外傷性動脈瘤に対して血管内手術で親動脈塞栓術による治療は報告されているが,瘤そのものを塞栓術にて治療したのは渉猟し得た限りでは5例しかない.病態・治療を文献的考察を加え,報告する.
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