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読者からの手紙
「重症頭部外傷14年後に髄膜炎にて明らかとなった潜在性髄液漏の1例」に対して
著者: 中村紀夫1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学
ページ範囲:P.975 - P.975
文献購入ページに移動 貴誌Vol.32 No.4 April, 2004に川本仁志氏らの外傷性潜在性髄液漏の報告が掲載されています.私は医学における症例報告は,珍しい症例や出来事についてその事実・知識を広く医師各領域に伝えるとともに,よき診断・治療あるいは予防などの対策を検討・進言することが重要であると思っています.
近年A Ommayaが,「外傷急性期の髄液漏がいったん治癒したようにみえても,稀に年余を経て再び漏出する」ことを記載し,これは現在の脳神経外科では稀ながら常識の範囲と思います.そしてこの病態の怖い点は,RP Sengupta らやRC Schneiderらが強調したように,meningitis(fulminating)を繰り返し突発し,時に死亡することです.かつて私はそのような症例を耳にしたことがありますが,今日そんなことはあってはなりません.そこで外傷性潜在性髄液漏の症例報告では,稀有なる症例ということに加えて,いかにしてこのような危険の発生を予防する方策があるのかの問題を検討してはいかがでしょう.
近年A Ommayaが,「外傷急性期の髄液漏がいったん治癒したようにみえても,稀に年余を経て再び漏出する」ことを記載し,これは現在の脳神経外科では稀ながら常識の範囲と思います.そしてこの病態の怖い点は,RP Sengupta らやRC Schneiderらが強調したように,meningitis(fulminating)を繰り返し突発し,時に死亡することです.かつて私はそのような症例を耳にしたことがありますが,今日そんなことはあってはなりません.そこで外傷性潜在性髄液漏の症例報告では,稀有なる症例ということに加えて,いかにしてこのような危険の発生を予防する方策があるのかの問題を検討してはいかがでしょう.
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