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Ancora Imparo―Semper Studeo Pro Bono Aegrorum
著者: 児玉南海雄1
所属機関: 1福島県立医科大学
ページ範囲:P.3 - P.4
文献購入ページに移動山頂に未来永劫に動きそうもない大きな岩があり,ある人が山の麓を歩いていたらそれが落ちてきた.その人は,歩いていたら偶然に岩が転がってきたという.しかし,自然のほうからいえば転がる絶対的な理由があった.土台の土が風雨にさらされ安定性がなくなり,真下に向いていた岩の重力よりも横方向の力が大きくなった.落ちたのは偶然ではなく必然であり,歩く人の有無は関係ない.思い上がっている人間は「自然の必然」を「偶然」と表現する.雨が続くと立派な護岸工事がしてある河川もあっけなく氾濫する.工事の手抜きではなく,精一杯やっても所詮人間の力はその程度である.
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