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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科33巻1号

2005年01月発行

文献概要

Ancora Imparo―Semper Studeo Pro Bono Aegrorum

著者: 児玉南海雄1

所属機関: 1福島県立医科大学

ページ範囲:P.3 - P.4

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疾病は自然現象であり,手術は人間が人工的な機器を操り自然と対峙することである.止血のために動脈を凝固したが止まらないと人間はおかしいと云う.おかしいのは人間のほうで操作の何かが目的を達してないから出血するのであり,自然のほうは自然の理に従って当り前に反応しているのである.

 山頂に未来永劫に動きそうもない大きな岩があり,ある人が山の麓を歩いていたらそれが落ちてきた.その人は,歩いていたら偶然に岩が転がってきたという.しかし,自然のほうからいえば転がる絶対的な理由があった.土台の土が風雨にさらされ安定性がなくなり,真下に向いていた岩の重力よりも横方向の力が大きくなった.落ちたのは偶然ではなく必然であり,歩く人の有無は関係ない.思い上がっている人間は「自然の必然」を「偶然」と表現する.雨が続くと立派な護岸工事がしてある河川もあっけなく氾濫する.工事の手抜きではなく,精一杯やっても所詮人間の力はその程度である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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