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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科33巻11号

2005年11月発行

文献概要

症例

周囲支持組織を温存しつつ全摘出し得たdumbbell型C2 neurinomaの1例

著者: 井上明宏1 大上史朗1 久門良明1 岩田真治1 松井誠司1 大西丘倫1

所属機関: 1愛媛大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1089 - P.1093

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Ⅰ.はじめに

 脊髄腫瘍に対する手術では,後方到達法,前方到達法,さらには前方後方同時到達法など様々な方法が試みられているが7),いずれのアプローチ方法においても頸部筋群,関節などの周囲支持組織をできる限り温存することが,術後脊椎機能を維持するうえで有用である9).今回われわれはC2神経根に発生し,拡大したC1/C2椎間孔より傍椎体部に進展したdumbbell型神経鞘腫の1例に対し,後方到達法にてC2棘突起および同部位付着伸展筋群,椎弓,椎間関節などの周囲支持組織を完全に温存しつつ全摘出し得たので,文献的考察を加えて報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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