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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科33巻12号

2005年12月発行

文献概要

連載 IT自由自在

PDAについて―脳神経外科診療の質と安全の向上のために

著者: 大須賀覚1 松村明2

所属機関: 1筑波メディカルセンター病院脳神経外科 2筑波大学臨床医学系脳神経外科

ページ範囲:P.1239 - P.1243

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はじめに

 PDAとはpersonal digital assistant(個人携帯情報端末)の略で,簡単に言えば,携帯できる小さなパソコンということになります.パソコンがまだまだ大きかった時代につけられた名前のため,現在聞くと曖昧なネーミングとなってしまっています.電気店では電子手帳といわれる分類で販売されています.具体的には,SONYのCLIE,SHARPのZaurusなどの商品があります.

 PDAはノート型パソコンと違い,はるかに小さく軽いため非常に携帯性に優れています.デスクワークが少なく常に動き回る医師には,まさに最適な携帯端末といえます.このPDAは,以前から欧米の医療者を中心に広く使用されていました.米国内科医会が2001年に行った調査によれば,米国の内科医の47%がPDAを使用しており,さらに全体の67%がこれから使用しようと考えているという結果がでています1).PDAは日本の医療者の間でも徐々に使われてきており,最近では医師の使用者が増えてきている印象もあります.それはPDA自体のもつ有利な点が,医者という仕事にぴったりマッチするためです.今回はPDAについてまとめてみることで,その有効性について考察してみました.2004年にthe West Virginia University School of Medicineで行われた調査によると,医学生にPDAを与えて仕事をさせたところ仕事のミスが減少したと報告があります2).忙しい日常診療にあたる脳神経外科医にとっては,PDAは仕事をよりスピーディーでかつ確実なものにしてくれる大切なパートナーといえます.

 後ほど説明しますが,医療界で使用されているPDAの多くがPalm OS搭載端末のため,ここではPDAとは狭義にPalm OS搭載端末のことをさすことにします.

参考文献

1)IMMEDIATE RELEASE October 25, 2001: The American College of Physicians-American Society of Internal Medicine (ACP-ASIM):ACP-ASIM Survey Finds Nearly Half of US Members Use Handheld Computers
2)Rosencrance JG, Schott MJ, Linger BT.:Using PDAs during the internal medicine clerkship. W V Med J 100:236-237,2004
3)高橋 徳,福田正博,田中邦雄・他:PDAについて.治療 84:170,2002
4)粟飯原輝人・編「医療に使えるPalm」羊土社,2003
5)粟飯原輝人・編「一歩進んだPalm」 羊土社,2004
6)山田達司 HP「Simple-Palm」 http://simple-palm.com/
7)庄司恒雄 HP「All About PDA」http://allabout.co.jp/computer/pda/
8)医療関係者のためのPalmリンク集 http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/peds/link2/index.html
9)MP-Palm http://www.asahi-net.or.jp/~rn6t-aihr/index-PChtml
10)アイオーデータ PDA用コンパクトフラッシュ型グラフィックカード http://www.iodata.jp/prod/multimedia/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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