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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科33巻9号

2005年09月発行

文献概要

報告記

第13回世界脳神経外科学会参会記(2005年6月19日~24日)

著者: 新井一1

所属機関: 1順天堂大学脳神経外科

ページ範囲:P.930 - P.931

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第13回世界脳神経外科学会(World Congress of Neurological Surgery)が,6月19日~24日の日程でモロッコのマラケシュにおいて開催されました(図1).アフリカ大陸で初めての開催となる今回の学会には,世界各国から約2,500人の参会者があったとのことでした.8年後に予定されている第15回の学会開催地に京都が立候補しているということもあり,日本からも多くの先生方が参会されました.モロッコはイスラム国家であり,当初は米国の会員に敬遠されるのではとの危惧もあったようですが,Dr. Rhoton,Dr. Jane,Dr. Spetzler,Dr. Heros,Dr. Laws などお馴染みの顔ぶれを含め米国からも多くの参会者があったように思います.

 学会のRegistration deskがうまく機能せず,参会者用のName Tagやプログラムを受け取るために4~5時間行列をつくらなければならないという強烈な歓迎を受けました(図2).行列が夜の10時過ぎまで続くといったこともありましたが,この状況は学会前日から2日目まで変化することなく,異なった文化の国に来たということをまざまざと実感させられました.一部のセッションが演者欠席のため中止になったというような話しも聞きましたし,Registration Deskの大混乱を含め学会運営に若干の問題ありという印象をもちました.会長のDr. Khamlichiは,会長講演のなかでモロッコを中心に発達途上国における脳神経外科の現状と問題点を述べました(図3).モロッコの人口は約2,900万人で脳神経外科医は150人,カサブランカ,ラバト,マラケシュなどの大都市ではMRIなども整備されているが決して十分といえる状況でないことを知ることができました.日本脳神経外科学会も大きく貢献していますが,World Federation of Neurosurgical Societies(WFNS)が中心となって行っている発展途上国への援助を継続して行っていくことの必要性を改めて感じました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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