文献詳細
文献概要
扉
今,求められる日本の脳神経外科医
著者: 小川彰1
所属機関: 1岩手医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.3 - P.4
文献購入ページに移動日本の脳神経外科は欧米とはかなり違った歩みの歴史の中で発展してきました.日本における脳神経外科専門医数は6,000名を越え,人口当たりの脳神経外科医は世界で最も多いとされています.しかし,欧米では手術と手術前後の数日間の診療を担当しほとんど手術に特化しているのに対し,日本の脳神経外科は救急医療をはじめとしたプライマリケアや放射線診断などの診断分野から手術,血管内治療,放射線治療など治療分野,また,その後の経過観察治療さらにリハビリテーションなど後療法分野まで幅広く担当しており,手術もさることながらトータルケアとしてまさに患者中心の医療を実践しているという現状があります.事実,日本専門医認定制機構において内科,外科,産婦人科や小児科などと並んで「基本領域の診療科」の一つに挙げられています.これは脳神経外科がいわゆる2階建部分の手術の専門診療に特化したsubspecialtyの診療科ではないと位置づけられていることを示しています.その意味で日本の国民から期待されている診療領域の範囲は広く多岐にわたっているといって良いでしょう.
掲載誌情報