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研究
脳梗塞急性期におけるhigh b-value diffusion-weighted imageの有用性
著者: 相原寛12 大西学1 門田知倫1 安部友康1 西尾晋作1 河内正光1 松本祐蔵1
所属機関: 1香川県立中央病院脳神経外科 2尾道市立市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.1225 - P.1230
文献購入ページに移動脳梗塞急性期の早期診断においてMRI,特に拡散強調画像(DWI)は有用であり,かつ日常診療に欠かせないものとなってきている.しかし,すべての病変が検出可能というわけではなく,疑陰性例は少なからず存在する5,6).
DWIは水分子の拡散運動を画像化する撮像法で,その拡散強調の程度はb値によって表現される.一般的には,b値は1,000s/mm2程度が用いられている.最近の強力な傾斜磁場を発生できるMRI装置は,b値をより高くし,より高度な拡散強調を行った撮像(high b-value DWI)を容易に施行可能とし,脳梗塞急性期における病変と正常組織との間のコントラストが高くなり,病変検出能は上がると考えられる.
当院ではDWI施行可能なMRI装置を2002年4月に導入し,脳梗塞急性期のMRIとして当初はT2WI,FLAIR,TOF-MRA,b=1,000s/mm2のDWIを施行していたが,偽陰性例が散見されるようになり,b=2,000s/mm2のDWIを追加するようになった.
今回われわれは,脳梗塞急性期にb=1,000s/mm2で撮像した通常のDWI(DWIb=1000)よりもb=2,000s/mm2で撮像したhigh b-value DWI(DWIb=2000)が病変検出能を上げることができるかどうかを調査した.
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