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文献概要
連載 英語のツボ 英文論文の書き方(4)
査読者との闘い,現実は自己を知れ
著者: 大坪宏1
所属機関: 1
ページ範囲:P.527 - P.535
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なぜこんなに一所懸命書いたのに,査読者は無茶苦茶にけなすのだろう.なぜ査読者は,自分の言っていることをわかろうとしないのだろう.なぜこんな新しいことがわかってもらえないのだろう.なぜこんな重要なことがわからないのだろう.多くの人が雑誌に投稿した自分の論文に対する査読者の意見を読んだ時,まず感じることではないでしょうか.“渡る世間は鬼ばかり(橋田寿賀子)”だと思っていませんか?
果たして,国際政治ジャーナリストの落合信彦は,
“ギリシャの哲学者プラトンは“Know thyself 己自身を知れ”として,人を理解しようという努力自体不毛だしおこがましい.人に理解されたいと思うことは甘えにすぎない.人を理解しようとする前に君が自分自身を理解すること.”
(落合信彦,どしゃぶりの時代魂の磨き方,集英社,2005)
と説いています.われわれは論文を書く段階で,本当に自分の言いたいことを自分自身が理解できているのでしょうか.今回は査読者という鏡を通して,査読者との目に見えない(時によく知っている人のこともありますが)対話から,自分の論文の書き方を考え,そして自分が査読側にたった時,査読者としてのあるべき態度についてみても考えてみたいと思います.
なぜこんなに一所懸命書いたのに,査読者は無茶苦茶にけなすのだろう.なぜ査読者は,自分の言っていることをわかろうとしないのだろう.なぜこんな新しいことがわかってもらえないのだろう.なぜこんな重要なことがわからないのだろう.多くの人が雑誌に投稿した自分の論文に対する査読者の意見を読んだ時,まず感じることではないでしょうか.“渡る世間は鬼ばかり(橋田寿賀子)”だと思っていませんか?
果たして,国際政治ジャーナリストの落合信彦は,
“ギリシャの哲学者プラトンは“Know thyself 己自身を知れ”として,人を理解しようという努力自体不毛だしおこがましい.人に理解されたいと思うことは甘えにすぎない.人を理解しようとする前に君が自分自身を理解すること.”
(落合信彦,どしゃぶりの時代魂の磨き方,集英社,2005)
と説いています.われわれは論文を書く段階で,本当に自分の言いたいことを自分自身が理解できているのでしょうか.今回は査読者という鏡を通して,査読者との目に見えない(時によく知っている人のこともありますが)対話から,自分の論文の書き方を考え,そして自分が査読側にたった時,査読者としてのあるべき態度についてみても考えてみたいと思います.
参考文献
1)Al-Futaisi A, Banwell B, Ochi A, Hew H:Chu B, Oishi M, Otsubo H:Hidden focal EEG seizures during prolonged suppressions and high-amplitude bursts in early infantile epileptic encephalopathy. Clin Neurophysiol 116:113-1117, 2005
2)Akiyama T, Otsubo H, Ochi A, Ishiguro T, Kadokura G, RamachandranNair R, Weiss SK, Rutka JT, OC Snead Ⅲ:Focal cortical high frequency oscillations trigger epileptic spasms: Confirmation by digital video subdural EEG. Clin Neurophysiol 116:2819-2825, 2005
3)浅野英司:英文医学論文の原稿の査読依頼に対してどう対応すべきか? 脳神経57:877-881, 2005
4)Byrne DW:Common reasons for rejecting manuscripts at medical journals: A survey of editors and peer reviewers. Science Editor 23:39-44, 2000
5)Fisher RS, Powers LE:Peer-reviewed publications: a view from inside. Epilepsia 45:889-894, 2004
6)Ochi A, Otsubo H, Iida K, Elliott I, Weiss SK, Kutomi T, Nakayam T, Sharma R, Chuang SH, Rutka JT, OC Snead Ⅲ:A comparison of the predominant lateralization of EEG and MEG dipoles in children with intractable epilepsy. J Child Neurol 20:885-892, 2005
7)Oishi M, Kameyama S, Masuda H, Tohyama J, Kanazawa O, Sasagawa M, Otsubo H:Single and multiple clusters of magnetoencephalographic dipoles in neocortical epilepsy: Significance in characterizing the epileptogenic zone. Epilepsia 47:355-364, 2006
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