Neurological Surgery 脳神経外科34巻7号

2006年07月発行

脳神経外科をとりまく医療・社会環境 これだけは知っておきたい個人情報保護法

第3回　具体的な場面での解決のプロセス－脳神経外科と医学研究

著者： 稲葉一人¹²³

所属機関： ¹科学技術文明研究所 ²東京大学大学院医学系研究科 ³元大阪地方裁判所

ページ範囲：P.765 - P.770

1．本稿の構成

　本稿では，まず医学研究について，個人情報保護制度がどのようなルールとなっているかを見たうえで，脳神経外科医が学会発表や医学研究において出会う以下の問いについて検討を加えたいと思います．

　①患者から得た情報（症例情報）を元に，医学論文や学会発表する場合のルールとはなにか．

参考文献

1）開原成允，樋口範雄（編）：医療の個人情報保護とセキュリティ―個人情報保護法とHIPAA法．有斐閣，東京，2003

2）提言「医学研究における個人情報保護のあり方」．科学技術文明研究所，2005

3）稲葉一人：個人情報保護と研究倫理．医学のあゆみ，215：235-239，2005

4）稲葉一人，奈良雅俊：守秘義務と個人情報保護．赤林朗（編），入門・医療倫理Ⅰ，勁草出版，東京，2005