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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科35巻11号

2007年11月発行

文献概要

読者からの手紙

「5-aminolevulinic acidによる術中蛍光診断が有用であった肝細胞癌頭蓋骨転移の1例」の論文について

著者: 宇津木聡1 諸藤陽一2 松尾孝之2 林之茂2 平尾朋仁2 永田泉2

所属機関: 1北里大学医学部脳神経外科 2長崎大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1120 - P.1121

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 貴誌に掲載の諸藤陽一先生らの症例報告「5-aminolevulinic acidによる術中蛍光診断が有用であった肝細胞癌頭蓋骨転移の1例」(No Shinkei Geka 35:913-918)を興味深く拝読いたしました.転移性頭蓋骨腫瘍におけるphotodynamic diagnosis(PDD)の有用性について述べておられます.著者らも述べておられるように,PDDは残存腫瘍がないことの確認にとても有用ですが,励起光は405nm近傍の短波長であり組織の表面の腫瘍の有無しかわからないこと,励起光の強さ,腫瘍の密度により蛍光の強さも変わること,蛍光の判断が主観的であることなどが問題となります.著者らは励起光として何を使用したか,その励起光の強さの記載がないのですが,写真から推測すると,D-Lightが使用されているものと思われます.これの長所は,広い範囲での観察が可能なことですが,われわれが使用している紫色半導体レーザー装置(VLD-M1®,M & M CO., LTD., 振幅波長;405±1nm,光出力40mW)では照射範囲は狭い反面,励起光の出力が強く,spectrometerを用いることでその定量性が得られ,客観的な判断ができることが優位な点と思われます1).特に浸潤部分のような腫瘍の密度が低い部分では蛍光が弱くなっていることがあり,直視下で蛍光が観察されなくともspectrometerを用いることで残存腫瘍を検出できることがあります1).このようにPDDの手技の違いによりその結果が異なってしまうことがあるので,方法の詳細な記載は必要と思われます.

参考文献

1)Utsuki S, Oka H, Sato S, Suzuki S, Shimizu S, Tanaka S, Fujii K:Possibility of using laser spectroscopy for the intraoperative detection of nonfluorescing brain tumors and the boundaries of brain tumor infiltrates. Technical note. J Neurosurg 104:618-620, 2006
2)Utsuki S, Miyoshi N, Oka H, Miyajima Y, Shimizu S, Suzuki S, Fujii K:Fluorescence-guided resection of metastatic brain tumors using 5-aminolevulinic acid-induced porphyrins-pathological study. Brain Tumor Pathol, in press

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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