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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科35巻11号

2007年11月発行

文献概要

コラム:医事法の扉

第19回 「共同不法行為」

著者: 福永篤志1 河瀬斌1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1123 - P.1123

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 民法は,「特殊な不法行為」として,「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは,各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う.共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも,同様とする.」(719条1項)という「共同不法行為」を規定しています.これは,加害者を特定できず,主観的な共同の意思(いわば一緒に人に害を加えているという意識)がなくても,全体として一個の客観的関連共同がある場合には,(過失相殺分を除いた)損害の全額を加害者側に連帯して負担させるもので,「損害の公平な負担」および「被害者救済」の理念に基づきます.例えば,複数の工場からの排煙による環境被害の場合等に適用されます.つまり,それぞれの行為と結果の因果関係を考えるのではなく,「共同行為」と結果との原因・結果関係があれば,因果関係を認めるもので,通常の「1対1」対応の不法行為より,広く因果関係が認められることになります.

 それでは,医療過誤の場合には,どのように適用されるのでしょうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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