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コラム:医事法の扉
第10回 「自己決定権」
著者: 福永篤志1 河瀬斌1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.161 - P.161
文献購入ページに移動「自己決定権」に関する有名な判例として,エホバの証人輸血拒否事件(最判平成12年2月29日判決)があります.最高裁は,「患者が,輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして,輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している場合,このような意思決定をする権利は,人格権の一内容として尊重されなければならない」と,「自己決定権」を保障しています(ただ,このケースは,担当医による緊急時には輸血を行う旨の説明が十分に行われていない状態で輸血が施行されたことに対して患者側が提訴していますので,もし輸血を行うという説明が事前になされていれば,事情が変わっていたかもしれません).
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