文献詳細
文献概要
コラム:医事法の扉
第16回 「転倒・転落事故」
著者: 福永篤志1 河瀬斌1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.821 - P.821
文献購入ページに移動転倒事例として,多発性脳梗塞の72歳女性(安静度トイレ介助歩行)が,入院した翌朝にトイレ前で転倒し,急性硬膜下血腫で死亡したケースで,「担当看護婦には,患者がトイレに行き来する際は,必ず患者に付き添い,転倒事故の発生を防止すべき義務があった」と判示し,病院側の不法行為責任を認めました(東京高裁平成15年9月29日判決).ただ,この事例では,患者自身が歩行時の介助を拒否していたので,大幅な過失相殺(722条)が認定されています.
掲載誌情報