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文献概要
コラム:医事法の扉
第17回 「業務上過失致死傷罪」
著者: 福永篤志1 河瀬斌1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.927 - P.927
文献購入ページに移動 医療行為は,「正当な業務による行為」の1つですから,たとえ患者の身体を傷つけても,原則として,罰せられません(刑法35条).しかし,医師の過失により患者の身体,生命を損傷・損失させてしまった場合には,「業務上過失致死傷罪」(211条1項)の適用が問題になります.
同条項は,「業務上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する.重大な過失により人を死傷させた者も,同様とする.」と規定し,非業務者の場合には「50万円以下の罰金」(210条,過失致死罪)と罪が軽いのに比べ,業務者は,より重く処罰されてしまいます.
同条項は,「業務上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,5年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する.重大な過失により人を死傷させた者も,同様とする.」と規定し,非業務者の場合には「50万円以下の罰金」(210条,過失致死罪)と罪が軽いのに比べ,業務者は,より重く処罰されてしまいます.
参考文献
1)古川俊治:輸血に関する医療事故と医療従事者の責任.Jpn J Transfusion Med 51:315-319, 2005
2)福永篤志,河瀬 斌:第5回「届出義務」.No Shinkei Geka 34:951, 2006
3)古川俊治:異状死の届出義務と医療従事者の刑事責任について.慶應医学83:261-262, 2006
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