文献詳細
文献概要
書評
『神経心理学事典』―岩田 誠,河内 十郎,河村 満●監訳 フリーアクセス
著者: 山鳥重1
所属機関: 1神戸学院大学人文学部人間心理学科
ページ範囲:P.337 - P.337
文献購入ページに移動本書の魅力は編集方針にある.詳細な説明が必要な項目には十分な紙面が割り当てられ,簡単な説明で事が足りる項目は数行で済まされている.このめりはりがすばらしい.例えばAの項目を例にとると,重点項目に選ばれているのはacalculia失計算,aging加齢,agnosia失認,agraphia失書,alcoholismアルコール中毒症,alexia失読,amnesic syndrome健忘症候群,amusia失音楽,anomia失名辞,anosmia嗅覚消失,anosognosia病態失認,aphasia失語,apraxia失行,assessment評価,ataxia運動失調,attention注意,auditory perceptual disorders聴知覚障害,autism自閉症,autotopagnosia自己身体部位失認の19項目で,これらについては総説に近い詳細な解説がなされている.嗅覚消失,評価,注意,それにアルコール中毒が同じ重要性を持つものとして,失認などと肩を並べている点が極めてユニークで,確かにこれぞ神経心理学である.
掲載誌情報