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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科36巻6号

2008年06月発行

文献概要

症例

骨化した頭血腫に頭蓋形成術を行った1例

著者: 千田光平1 久保直彦1 鈴木豪1 木戸口順1 小守林靖一1 小川彰2

所属機関: 1盛岡赤十字病院脳神経外科 2岩手医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.529 - P.533

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Ⅰ.は じ め に

 出生直後の新生児において産瘤や頭血腫による頭皮の膨隆はよくみられるが,そのほとんどが数週間で自然に吸収され消滅する.一方,頭血腫では残存血腫周囲が骨化し,頭蓋変形を来すことは知られているが,頭蓋形成を必要とするほど大きなものは稀である2,4,5,6,12)

 われわれは頭血腫の骨化により著しい頭蓋変形を来した小児例に対し,吸収性骨プレートを用いた頭蓋形成を行った症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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