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書評
『コミュニケーションスキル・トレーニング 患者満足度の向上と効果的な診療のために』―松村 真司,箕輪 良行●編 フリーアクセス
著者: 有賀徹1
所属機関: 1昭和大学医学部救急医学
ページ範囲:P.546 - P.546
文献購入ページに移動さて,日本語はもともと敬語が発達していて,対話する相手との距離などを測りながらそれを巧みに使うことになっていて,そこにこそ言わば教養のなせるわざがある.したがって,医師はこの面でも研鑽すべきだろうと自らは漠然と考えていた.本書にはさすがにそのような言及はないが,それよりもっと基本的な面接などに関する体系的な仕組みについて解説されている.コミュニケーションスキル・トレーニングなどという教育が微塵もなかったわれわれでも,本書にある標準的な仕組みを頭に入れて医療を展開するなら,内科診断学やSings & Symptomsの基本である患者情報をまずは効果的に得ることに役立つ.引き続く治療についても患者に大いにその気になってもらう上で,この体系的な仕組みを実践する意義は大いにあると言うべきであろう.
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