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『Critical Thinking脊椎外科』―星地 亜都司●著 フリーアクセス
著者: 小山素麿1
所属機関: 1脊髄疾患臨床研究所
ページ範囲:P.555 - P.555
文献購入ページに移動「神経所見と画像上の高位診断の整合性があるか」,「MRIで椎間板の出っ張りがあっても,うかつにヘルニアと呼んではならない」ということも非常に大切なご意見と思いました.さらに「椎弓切除術と椎弓形成術とどちらが優れているか」は日本の保険制度での点数の差でしかないと暗に指摘されていると考え,痛快な思いで読ませていただきました.その他,名文は枚挙に暇がありません.「歯突起後方偽腫瘍は摘出する必要のない疾患であって環軸椎固定術で縮小する」,「胸椎のOPLLは脊椎外科医にとって壁のごとき存在である」,「内科的疾患を嗅ぎ分ける能力が必須であり,そのような疾患を画一に鑑別できる能力があってプロといえる」,「dural AVFは胸腰椎移行部によく発生し,(中略)手術になる率が高い,この疾患もなぜか腰部脊柱管狭窄症のような腰部変性疾患として扱われ,診断が遅れることが多い.PTRの亢進を見逃さないことである」etc,etc….
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