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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科36巻7号

2008年07月発行

文献概要

コラム:医事法の扉

第27回 「医療慣行」

著者: 福永篤志1 河瀬斌1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.651 - P.651

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 第9回コラムの「医療水準」2)と似た概念で「医療慣行」があります.医療慣行とは,慣習的に行われている平均的医療行為をさしますが,われわれ医師の場合,実際の臨床現場において長年の経験と専門的知識に基づき積み上げられてきた医療慣行を尊重し,それを積極的に実践していることが多いと思います.例えば,薬剤の具体的投与方法などが典型です.

 ところで,医師が医療慣行に従って医療行為を行ったにもかかわらず患者に何らかの被害が発生した場合に,その医師は法的責任を負わなければならないのでしょうか.確かに,医療慣行は,合理的・平均的基準を示すものであり,客観的に判断しやすいことから,医療慣行に従っていれば,注意義務を果たしているように思えます.

参考文献

1)福永篤志,河瀬 斌:医事法の扉 第8回「問診義務」.No Shinkei Geka 34:1239, 2006
2)福永篤志,河瀬 斌:医事法の扉 第9回「医療水準」.No Shinkei Geka 35:93, 2007
3)小西知世:医薬品添付文書と医師の注意義務.別冊ジュリスト医事法判例百選:148-149, 2006
4)山田卓生:医療水準と医療慣行.判例タイムズ447:39-43, 1981

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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