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症例
術中急性脳腫脹を来し結果として一塊に摘出された巨大大脳鎌髄膜腫の1例
著者: 菅康郎1 堤佐斗志1 肥後拓麿1 近藤聡英1 阿部祐介1 安本幸正1 伊藤昌徳1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院脳神経外科
ページ範囲:P.819 - P.823
文献購入ページに移動髄膜腫の手術は①devascularization,②detachment,③decompression/debulking,④dissection/removalの順次遂行を基本操作とするが,巨大腫瘍の場合,内減圧操作(decompression/debulking)なしでは硬膜付着部深部および腫瘍下半分の領域でのdevascularization,detachmentは困難なことも多い.術前栄養血管塞栓術も術中出血量減少に有効と考えられる一方で,それに伴うmorbidity,mortalityは無視できるほど小さなものではなく,実際の出血量減少効果や適応はcontroversialである1,6).一方,血管成分に富む巨大髄膜腫摘出に際し術中急性脳腫脹を来した難渋例の報告がある4).今回われわれは巨大大脳鎌髄膜腫の手術中,大量出血に続き急性脳腫脹を来し,結果として内減圧操作なしにen blocに摘出された症例を経験したので報告する.
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