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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科36巻9号

2008年09月発行

文献概要

読者からの手紙

さしがねを用いた円蓋部病変のlocalization法

著者: 清水曉1

所属機関: 1横浜市立脳血管医療センター脳神経外科

ページ範囲:P.828 - P.829

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 円蓋部病変の頭皮上での術前localizationは,病変がランドマークである頭蓋底や正中から離れるほど困難になる1).ナビゲーション装置はこの問題を解決するが,緊急度やコストパフォーマンスのため適応とならない例が大部分である.そこで今回,円蓋部病変の簡易なlocalization法として,さしがね(直交する2辺の定規からなる大工用品)を用いた方法を紹介する.

 限局した慢性硬膜下血腫例(Fig. 1)で使用法を示す.Orbito-meatal(OM)lineを基準に撮像したCTで,目標スライスのOM lineからの高位・そのスライスでの前額縁から病変中心部までの距離を計測する(Fig. 1A).次に患者の頭皮にOM lineをマーキングし,この線と矢状線に平行になるようさしがねの1辺を病変の高位に置く.もう1辺は前額に接するように置く(Fig. 2).ここで上記のCT上の前額縁から病変までの距離を頭皮にプロットする.目盛りは前額に接する辺を起点に読む(さしがねにはメートル目盛ではなく尺目盛のものがあるので注意する).通常の定規では計測の起点となる前額に目盛りの起点を正確に合わせることが困難だが,さしがねでは直交するもう1辺によりこれが容易にできる.本例では予定部位に穿頭でき上肢の単麻痺は改善した.

参考文献

1)池田 公,伊藤 薫,松澤和人,田中 佳,宮崎喜寛,山本勇夫,佐藤 修:円蓋部開頭─いかにして正確に病変部をlocalizeするか.No Shinkei Geka 20:875-881, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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