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『脳科学のコスモロジー』幹細胞,ニューロン,グリア―藤田 晢也,浅野 孝雄●著 フリーアクセス
著者: 生田房弘12
所属機関: 1新潟大学・神経病理学 2新潟脳外科病院
ページ範囲:P.999 - P.1000
文献購入ページに移動引き換え私は,神経病理学に魅せられ,同じ1960年代前半,ニューヨークで来る日も来る日もヒト疾患脳の観察を4年余続けただけで帰国した.以来,師,中田瑞穂先生の部屋で語ったことのほとんどはグリア細胞とニューロンの関係についてであった.私の4年余の経験は,脳病変をわれわれに教えてくれるのはグリア細胞をおいてないことなど,思うまま述べた.師の質問も繰り返された.意識についても話題にされた.やがて1971年,先生は神経細胞やグリア細胞,それぞれの研究ではなく“両者の相関”を解明してほしい,両者で脳の機能はつくられているのだと思うからと,その切々とした疑問を「Neuro-Gliology」と題し,そっと書き残された[新潟医誌85:667, 1971].
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