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症例
髄膜癌腫症の症状緩和に腰椎─腹腔シャント術が奏功した1例―圧可変バルブの使用について
著者: 山城重雄1 吉田顯正1 田尻征治1 穴井茂雄1 伊藤清隆2 倉津純一3
所属機関: 1熊本労災病院脳神経外科 2熊本労災病院内科 3熊本大学大学院医学薬学研究部先端生命医療科学部門脳・神経科学講座脳神経外科学分野
ページ範囲:P.1007 - P.1011
文献購入ページに移動新しい抗癌剤の登場で,進行癌に対する治療成績が向上している.また,ガンマナイフに代表される定位放射線治療により,生活の質(quality of life:QOL)を保ちつつ生存期間がのびている.癌患者の生存期間の延長に伴い,髄膜癌腫症に遭遇する機会が増えた.髄膜癌腫症の予後は今なお悪く,頭痛,嘔吐,意識障害などを合併するためQOLも低い.
今回われわれは,肺癌を原発とする髄膜癌腫症に対して腰椎くも膜下腔─腹腔短絡(L-Pシャント)術を行い,術後頭痛が消失し劇的にQOLが改善した症例を経験した.癌性髄膜炎を伴った末期癌患者における症状緩和の有効な手段と考え報告する.また,この種の髄液シャント手術における圧可変バルブの使用法についても言及する.
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