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コラム:医事法の扉
第42回 「褥瘡裁判」
著者: 福永篤志1 河瀬斌1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.1038 - P.1038
文献購入ページに移動1つは,61歳女性の脳出血患者で左片麻痺があり寝たきりであったため,発症後約2週間で仙骨部の表皮が剝離し,その後,褥瘡が拡大していったケースです.患者は5年後に死亡し,患者の夫らが病院を設置・管理する市に対し,褥瘡予防を怠ったとして慰謝料600万円を求める損害賠償請求をしました.裁判所は,当該病院の看護業務の多忙さ,患者の年齢・栄養状態なども考慮した上で,褥瘡予防措置がとられていたことを推認し,請求を棄却しました(名古屋地裁昭和59年2月23日判決).もっとも控訴審で,100万円で和解が成立したようです1).
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