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雑誌目次

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科37巻2号

2009年02月発行

雑誌目次

患者中心主義

著者: 橋本政明

ページ範囲:P.121 - P.122

 近年,通り魔殺人事件や少年による凶悪犯罪だけでなく,高齢者の粗暴犯罪も増加している.戦後の,「こうあるべきとの判断」を回避しがちな社会の空気が,衣食が足りても礼節を知ることができていない人々を大量生産してきたことの表れだ.礼儀の遵守に,階級意識を強め,役割の固定化およびパターナリズムを強めるという負の側面があるのは,確かである.しかし,古来から礼儀はコミュニケーションの潤滑油として機能し,暗黙の了解事項として受け継がれ,礼儀を守ることで分不相応な行動が抑止されてきた.

総説

脳腫瘍と免疫

著者: 梶原浩司 ,   吉川功一 ,   出口誠 ,   天野貴之 ,   坂真人 ,   鈴木倫保

ページ範囲:P.125 - P.133

Ⅰ.はじめに

 脳実質は従来,その解剖学的な特徴から,全身の免疫監視機構から隔絶された免疫学的隔離部位(immunologically privileged site)といわれていたが,1980年代後半以降,細胞分子生物学の発達に伴い,中枢神経系における免疫監視機構の存在が明らかになってきた.脳腫瘍においても腫瘍細胞に対する獲得性あるいは自然免疫応答や腫瘍抗原の解析が行われて,また一方で腫瘍細胞による免疫抑制機構の存在も知られている.これらの免疫機構の解析に基づいた脳腫瘍の免疫療法の開発研究もさかんに行われるようになり,脳腫瘍治療法としても今後の発展が期待される.本稿では,脳腫瘍と免疫に関して,中枢神経系における免疫監視機構の特殊性,脳腫瘍における免疫監視機構,その中でも特に脳腫瘍における腫瘍抗原の解析,脳腫瘍細胞による免疫抑制機構,脳腫瘍に対する免疫治療などについて解説する.

解剖を中心とした脳神経手術手技

Suction decompression法を併用した巨大・大型paraclinoid動脈瘤のクリッピング術―そのセッティングとクリッピング時の留意点

著者: 伊達勲 ,   徳永浩司

ページ範囲:P.135 - P.146

Ⅰ.はじめに

 Paraclinoid動脈瘤は,一般に硬膜輪(distal dural ring)から内頚動脈後交通動脈分岐部までにneckが存在する動脈瘤を指すが6),大型(15mm以上)あるいは巨大(25mm以上)になる頻度が他の部位の動脈瘤より高いことから,治療困難な動脈瘤の1つと考えられている24,25).大型・巨大動脈瘤では,動脈瘤の圧を十分に減じるために,近位部の内頚動脈から血液を逆行性に吸引し,その間にクリッピングを行うsuction decompression法2,5,8,10,17,25)を併用することが重要な手術手技である.これにより,内頚動脈を形成しながらのクリッピングが可能となり,眼動脈の血流を温存し,視神経へのダメージも少なくすることができる.

 筆者らは,これまで本法を併用しての巨大・大型paraclinoid動脈瘤のクリッピングを24症例に行い良好な成績をあげてきたので,本稿では,そのセッティングとクリッピング時の留意点を中心に解説する.

研究

7T-MRIを利用したラット脳放射線障害における脳梁部fractional anisotropy値変化の検討と組織学的考察

著者: 地藤純哉 ,   深見忠輝 ,   中洲敏 ,   井藤隆太 ,   森川茂廣 ,   犬伏俊郎 ,   野崎和彦

ページ範囲:P.147 - P.155

Ⅰ.はじめに

 放射線治療はこれまでさまざまな頭蓋内病変の患者に対し実施され,それらの治療に大きな役割を果たしてきたが17),正常脳組織への影響も強い.最も大きな問題として,晩発性白質脳症や放射線性壊死がある.晩発性障害は通常不可逆的でときに致死的な状況に陥ることもあり,成人例では進行性記憶障害,集中力低下などの認知症症状を7),また小児例でも進行性精神発達障害を呈する25).これらの症状の病理学的背景として血管壁の変性と局所もしくはびまん性の壊死および脱髄変化2,19,24)に起因する白質障害が知られているが,この組織学的変化をin vivoで定量的に捉えるのはこれまで困難であった.しかし近年のMRI技術の発達に伴い,白質障害の微小な組織変化をin vivoで定量的に評価する試みがなされている.Diffusion Tensor Imaging(DTI)は,水分子の拡散運動を観察する撮像法であり3),水分子の異方性拡散の程度を示す定量的指標であるfractional anisotropy(FA)値10)は白質損傷を鋭敏に捉え,変化を経時的に観察する上で有用とされている13,14,18).Khongらはmedulloblastomaの患児に対する放射線治療における白質への影響をFA値を用いて評価し,通常のMRI撮影では信号変化を検知できない白質部分においてFA値の低下を認めた13).また,Kitaharaらも成人の悪性脳腫瘍に対する放射線治療例で経時的にFA値を測定し,有意ではないがFA値の低下と慢性期でのFA値の回復を報告した15).しかしこれらはヒトにおけるin vivoでの研究であるため,FA値変化に対する組織学的裏付けが示されていない.そこで今回われわれはラットを使用し,放射線障害の進行に起因するFA値の変化と病理学的変化の関係を解析するために,白質からなる代表的構造物である脳梁を対象とし,7T-MRIで照射後経時的にin vivo測定したFA値と病理組織を比較検討した.

転移性脳腫瘍患者における全身FDG-PET/CTの有用性

著者: 仲川和彦 ,   青柳傑 ,   稲次基希 ,   前原健寿 ,   鳥山英之 ,   河野能久 ,   玉置正史 ,   成相直 ,   大野喜久郎

ページ範囲:P.159 - P.166

Ⅰ.はじめに

 転移性脳腫瘍は,癌患者の15~40%にみられ4),日常診療で頻繁に遭遇する疾患である.転移性脳腫瘍の治療方針の決定や予後判定の因子として,脳転移巣の数や局在だけではなく,治療前の患者の状態(performance status),年齢,原発巣および他の全身転移の状態が挙げられるが,なかでもperformance statusと頭蓋外の全身転移の状態が最も患者の転帰を左右するといわれる5,8).したがって,転移性脳腫瘍の治療では,全身転移を考慮した総合的な判断が必要である.

 従来,転移性脳腫瘍の患者の全身検索は,CT,MRI,シンチグラムなど多種の検査を組み合わせて行われてきたが,多種検査による患者への負担が大きく,さらに結果的には不必要な検査に終わることもある.近年,癌患者の全身検索および治療効果の判定を目的として,18F-fluorodeoxyglucoseを用いて病巣の糖代謝を評価するFDG-PET(18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography)検査の有用性が報告されている11,15).さらに,FDG-PETの空間分解能の低さを補うべく,CT画像とFDG-PET画像を融合させるFDG-PET/CTが開発された9).われわれは,転移性脳腫瘍患者に対して,全身検索目的にFDG-PET/CTを施行し,その有用性について得られた結果を基に報告する.

報告記

The 17th International Conference on Brain Tumor Research & Therapy報告記(2008年6月9~12日)

著者: 藤巻高光

ページ範囲:P.156 - P.157

 The 17th International Conference on Brain Tumor Research & Therapyは2008年6月9日夕方~12日,北海道,大沼プリンスホテルで埼玉医科大学国際医療センターの松谷雅生院長を会長として,開催されました.本カンファランスはもともと,University of California San Francisco(UCSF)のCharles Wilson教授とVictor Levin教授が,セミクローズドの限られたメンバーで,同じ宿に泊まって脳腫瘍について徹底的に討議する学会を1975年にカリフォルニアの保養地Asilomarで開催した,いわゆる「アシロマミーティング」が綿々と引き継がれてきたものです.日本脳腫瘍学会も,前身の日光カンファランス以来,このスタイルをとりいれてノーネクタイというフランクな雰囲気のもと,開催されてきています.

 日本でこの学会が開催されるのは,1981年の日光,1987年の箱根,1999年の洞爺湖につづいて4回目です.伝統にのっとり,1つの会場に全員が宿泊しての学会スタイルで,参加者は163名,特別講演を含み,口演発表74題,ポスター20演題が発表されました.ポスター演題についても3分間の口演の時間が与えられ,夕食後はポスター会場での「ポスター&ワイン」で,会場のあちこちで脳腫瘍研究から偉い先生の初デートの時の話題までdiscussionが盛んに行われていました.外国人参加者の中にはこのセッションの後,さらに露天風呂が珍しくて盛り上がってしまい,露天風呂に面した池の鯉との水泳を楽しんだ者もいたやに仄聞しています.

症例

腹壁内血腫の1例―大腿動脈穿刺によるセルジンガー法のピットフォール

著者: 平松久弥 ,   杉浦康仁 ,   竹田理々子 ,   難波宏樹

ページ範囲:P.167 - P.171

Ⅰ.はじめに

 脳神経外科領域でよく行われる脳血管撮影,あるいは脳血管内治療の多くには大腿動脈穿刺によるセルジンガー法が用いられている.今回,大腿動脈にイントロデューサーを留置する際に,深腸骨回旋動脈を損傷し,巨大な腹壁血腫を生じた可能性のある1例を経験したので,反省の意味も込めて報告する.

小脳虫部原発卵黄囊腫の1例

著者: 中村太源 ,   金森政之 ,   園田順彦 ,   渡辺みか ,   隈部俊宏 ,   冨永悌二

ページ範囲:P.173 - P.177

Ⅰ.はじめに

 原発性脳腫瘍の中で胚細胞腫瘍は2.8%を占める比較的稀な疾患である16).その発生部位は松果体部51.0%,鞍上部30.1%,基底核部3.3%と報告され11),後頭蓋窩での発生は稀である.今回,小脳虫部に原発した卵黄囊腫の1例を経験したので報告する.

腎盂癌原発の転移性脳腫瘍の1例

著者: 松田良介 ,   本山靖 ,   竹島靖浩 ,   木村僚太 ,   飯田淳一 ,   中村光利 ,   三島秀明 ,   朴永銖 ,   平林秀裕 ,   中瀬裕之 ,   榊寿右

ページ範囲:P.179 - P.182

Ⅰ.はじめに

 腎盂癌は全尿路腫瘍に占める割合は約3%とされ,比較的稀な腫瘍であり予後も不良とされる4).腎盂癌の転移はリンパ節や肺,肝,骨などに起こりやすく,脳転移は極めて稀である6).腎盂癌の脳転移に関する報告はわれわれが渉猟した限り,3例しかなされていない2,6,7).われわれは腎盂癌の脳転移例を経験したので,文献的考察をふまえて報告する.

Acetazolamide負荷脳血流検査後に脳梗塞が悪化した2症例

著者: 目黒俊成 ,   田邉智之 ,   村岡賢一郎 ,   寺田欣矢 ,   廣常信之 ,   西野繁樹

ページ範囲:P.183 - P.188

Ⅰ.はじめに

 Acetazolamide負荷脳血流検査は,虚血性脳血管障害患者における脳循環予備能を評価する検査として広く普及している.Acetazolamide静脈内投与の副作用として一時的な口唇や四肢のしびれ感,頭痛などが知られている.しかし,過去にacetazolamide静脈内投与によりTIA(transient ischemic attack)を起こした報告はあるが2,5),脳梗塞に進行したという論文報告はない.今回われわれは,内頚動脈閉塞症による脳梗塞患者に対して脳循環予備能の検査目的でacetazolamide負荷脳血流検査を行ったところ,脳梗塞が拡大した症例を経験した.日常臨床において留意すべき病態であったので報告する.

摘出術前の放射線治療が有効であった富血管性孤立性線維腫の1例

著者: 岡本紀善 ,   糸川博 ,   森谷匡雄 ,   藤本道生 ,   長島梧郎 ,   鈴木龍太 ,   藤本司

ページ範囲:P.189 - P.194

Ⅰ.はじめに

 頭蓋内に発生するsolitary fibrous tumor(SFT)は,現在のところ明確な診断基準がなく,hemangiopericytoma(HPC)やfibrous meningiomaとの鑑別が困難である.なかでも血管成分に富んだSFTについては,過去に2例の報告がなされたのみであり6,10),その病理組織学的分類をはじめ,治療方法についても明確な見解は確立されていない.一般にSFTに対する治療は,外科的摘出術を主体として行われているが,ときに放射線治療も行われ,特に再発例や転移例,部分摘出例などに対する報告が散見される1,2,9).しかしながら,摘出術難渋例に対して放射線治療を行ったとする報告は渉猟し得た限り認められない.

 今回われわれは病理学的に富血管性のSFTと診断した症例に対し,初回手術時に出血コントロールに難渋して部分摘出に終わったが,その後に放射線治療を行うことで,腫瘍の大幅な縮少と栄養血管の消退が得られ,全摘出し得た症例を経験したので報告する.

連載 脳神経外科疾患治療のスタンダード

3.無症候性ないし軽症脳梗塞・TIA

著者: 天野達雄 ,   松岡秀樹 ,   峰松一夫

ページ範囲:P.195 - P.202

Ⅰ.はじめに

 近年,画像診断技術の進歩や脳ドックの普及などにより,無症候性の脳梗塞が診断される機会が増えている.また,ライフスタイルの欧米化や危険因子の変化に伴うアテローム硬化症の増加などもあり,TIA(transient ischemic attack)症例に遭遇する機会が多い.また,TIAについては,最近の画像診断の進歩に伴い,その概念も変化しつつある.

 そこで本稿では,無症候性ないし軽症脳梗塞とTIA,おのおのの病態について最近の知見をふまえ,概念や診療方針などについて述べる.

続・英語のツボ

(3)論文方程式

著者: 大坪宏

ページ範囲:P.203 - P.207

はじめに

 今回は,われわれ,臨床に携わっている医師が論文を書く上で,目的に応じてさまざまな書き方があるのではないか?という疑問に答えてみようと思います.このことは,英文論文のみならず,日本語の論文に関しても常に考えておくべきだと思い,以下に記してみます.

 医学部を卒業して,residentになり,そこでのsupervisorがよく論文を書く人だと,珍しい症例を経験した場合,症例報告というレポート形式の論文を書かせてくれます.その後大学院に入ると,学位論文をしたためなければなりませんから,当然まとまった症例なり,実験結果なりをまとめて英語論文にして受諾されねばなりません.その後助教,講師,准教授,教授と階段を上るために,論文の数とimpact factorの数値が問題になってきます.科研費を獲得してからの,論文による成果の発表も課せられてきます.また医師の本質的な使命は,さまざまな病気に悩んでいる患者のための診断と治療になんらかの貢献をすることであり,それを成し遂げるために論文を書くという目的もあると思います.

 このように,人により,また論文により書く目的は異なります.そこで,目的に応じたいろいろな種類の論文と,その書き分け方について,方程式なども用いてわかりやすく解説していきます.

コラム:医事法の扉

第34回 「時効・除斥期間」

著者: 福永篤志 ,   河瀬斌

ページ範囲:P.209 - P.209

 民事上の時効とは,一定期間継続した事実状態を尊重し,当事者に所有権等の財産権を与えるか,あるいは,権利を行使しない者からその権利を消滅させる制度であり,前者を取得時効(民法162~165条),後者を消滅時効(166~174条の2)といいます.そして,時効の効果を発生させるためには,時間の経過だけではなく,「援用」という意思表示が必要となります(145条).今回は,消滅時効について検討します.

 不法行為(709条)や債務不履行(415条)に基づく損害賠償請求権には,時効があります.不法行為は「損害及び加害者を知った時から3年」,債務不履行は「10年間行使しないとき」と規定されています(724条前段,167条1項).つまり,医療過誤事件では,通常当該医療行為の時点から3年あるいは10年を経過し,医療側が援用の意思表示をすれば時効となります.ただし,医療過誤訴訟は,不法行為と債務不履行の両方を請求の基礎とすることができますので(請求権の競合),3年では不法行為に基づく請求権しか消滅しません.とすると,10年以上経過しなければ訴訟を起こされる危険が抽象的には付きまとうことになりますが,実務上,3年以上経過して民事裁判が起こされることはめったにありません.

海外留学記

Department of Neurosurgery, Johns Hopkins Hospital

著者: 小林一太

ページ範囲:P.211 - P.213

 ボルチモアは人口約64万人のメリーランド州で最大,アメリカで第5番目の都市で,歴史的に古い街で国歌が作られた場所としても有名です.カトリック教徒が多く,アフリカン・アメリカンの比率も市内では圧倒的に高く(約70%),マイノリティに優しい街である反面,デトロイト,アトランタ等と並び,犯罪発生率ランキングの上位の常連という側面も持っています.ジョンズ・ホプキンス大学は1889年に病院が造られ,1893年に医学部が創立された,アメリカでは比較的歴史のある大学です.この病院は,USA Today誌が選ぶ病院ランキングで,2008年現在18年連続で全米No. 1に選ばれています.また脳神経外科の父と賞されるHarvey Cushingをはじめ,多くの著名な脳神経外科医が在籍していたところとしても有名で,手術室のある階の廊下には彼らの写真と業績について書かれたパネルが展示されており,この病院の脳神経外科の伝統と歴史の重みを感じることができます.

 私は,日本では片山教授のご指導のもと脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)を自らの専門領域としていました.そんな折り,片山教授からの勧めもあり,日本大学医学部の海外派遣研究員制度を利用し,Lenz教授のもとにポスドクとして留学することになりました.Lenz教授はDBSの多くの手術経験をお持ちで,特にDBS手術の際に脳深部から記録される神経活動記録(マイクロレコーディング)の分析における権威であり,以前から私自身もLenz教授のもとで勉強したいと考えていたのでこうした機会をいただけたことはとても幸運でした.

文献抄録

The role of stereotactic radiosurgery for intracranial hemangioblastoma

著者: 井澤正博

ページ範囲:P.215 - P.215

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編集後記

著者: 吉峰俊樹

ページ範囲:P.222 - P.222

 橋本政明先生による「扉」の「患者中心主義」は鋭いご指摘である.ほんの最近まで医療は「医師中心主義」で進められてきたが,反動として「患者中心主義」が唱えられるようになった.が,今度は患者側に偏りすぎた感もある.橋本先生はこの両者は対立するのではなく,相互が協力することが重要であり,そのためには慈愛や信頼や礼儀が必要であると説かれている.

 思い起こせば,ヒポクラテスの誓いにはパターナリズムにのっとった「医師中心主義」の面がある1).特に昨今重視される「患者への説明責任」や「患者の自己決定権」とは相反し,「医術の知識を外部のものに与えてはならない」(情報を公開しない),「自身の能力と判断に従って治療法を選択する」(治療法を決定するのは医師である)という.ヒポクラテスの誓いの現代版といえる世界医師会の「ジュネーブ宣言」もその性格はやはりパターナリズムといえるものであり,「患者側の権利」には触れられていない2)

基本情報

Neurological Surgery 脳神経外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1251

印刷版ISSN 0301-2603

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