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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科37巻2号

2009年02月発行

文献概要

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編集後記

著者: 吉峰俊樹

所属機関:

ページ範囲:P.222 - P.222

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 橋本政明先生による「扉」の「患者中心主義」は鋭いご指摘である.ほんの最近まで医療は「医師中心主義」で進められてきたが,反動として「患者中心主義」が唱えられるようになった.が,今度は患者側に偏りすぎた感もある.橋本先生はこの両者は対立するのではなく,相互が協力することが重要であり,そのためには慈愛や信頼や礼儀が必要であると説かれている.

 思い起こせば,ヒポクラテスの誓いにはパターナリズムにのっとった「医師中心主義」の面がある1).特に昨今重視される「患者への説明責任」や「患者の自己決定権」とは相反し,「医術の知識を外部のものに与えてはならない」(情報を公開しない),「自身の能力と判断に従って治療法を選択する」(治療法を決定するのは医師である)という.ヒポクラテスの誓いの現代版といえる世界医師会の「ジュネーブ宣言」もその性格はやはりパターナリズムといえるものであり,「患者側の権利」には触れられていない2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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