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症例
Tolosa-Hunt症候群と内頚―後交通動脈分岐部未破裂動脈瘤による同側動眼神経麻痺を同時発症した1例
著者: 堤佐斗志1 清水勇三郎1 秋山理1 野中康臣1 阿部祐介1 安本幸正1 伊藤昌徳1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院脳神経外科
ページ範囲:P.393 - P.397
文献購入ページに移動Tolosa-Hunt症候群は多くが片側VⅠ領域,あるいはVⅡ領域も含む顔面痛に神経原性の同側眼筋運動障害,瞳孔括約筋調節障害がさまざまな組み合わせで合併した臨床徴候である1,4).ステロイドに反応良好な再発性の海綿静脈洞ないし上眼窩裂に存在する非特異的炎症性肉芽腫病変と関連付けて論じられることが多いが,原因疾患は多岐にわたり,画像上特異所見を欠く場合には診断に苦慮することも多い1,4).動眼神経麻痺は後交通動脈瘤との関連でしばしば述べられる一方で,脳動脈瘤圧迫の様式から動眼神経障害を分類化したものは存在しない5,6).今回われわれは,Tolosa-Hunt症候群と時期を同じくして動眼神経麻痺が出現,同側内頚-後交通動脈分岐部未破裂動脈瘤が考えられた症例を経験したので報告する.
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