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雑誌目次

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科37巻5号

2009年05月発行

雑誌目次

「天草島から」

著者: 植村正三郎

ページ範囲:P.425 - P.426

 九州の中央,有明海,八代海,天草灘に囲まれ,大小120の島々から成る天草は,離島ゆえに生活,文化,医療などあらゆる不便を強いられてきましたが,温暖な気候と美しい自然はおおらかさと情熱を育み,忍耐とたくましさが醸成されたと言われています.

 昭和41年天草五橋という洋上の道が完成したことで,天草は離島から“半島”へ変わりました.半島化により人々の生活,経済,環境風土,文化にも変貌が起こりましたが,架橋がなされたとは言え,天草の中心地(旧本渡市)から熊本市まで90kmの距離があり,つい最近こそバイパス道路により多少近く感じられますが,車では約2時間かかりますし,島の最南端の町(旧牛深市)まではさらに45kmあります.幹線道路をはずれた海と山からなる天草の道路事情の悪さもあり,こうした地理的条件がとくに救急医療のウィークポイントとなっていました.

総説

術中MRIを用いた頭蓋底手術

著者: 渡邉督 ,   藤井正純 ,   齋藤清

ページ範囲:P.429 - P.440

Ⅰ.画像誘導手術の登場

 脳神経外科手術は,1960年代の手術顕微鏡の導入,80年代以降のX線CTおよびMRIの普及に伴って著しい進歩を遂げてきた.手術顕微鏡は,それまで肉眼で捉えることが困難であったミクロな世界を,鮮明にそして立体的に見ることを可能にし,現在ではマイクロサージェリーは脳神経外科手術における必須技術となっている.しかし,複雑かつデリケートな脳および頭蓋底という領域は,手術顕微鏡による微視的世界の拡大だけではしばしば正確に航海することが難しい.その繊細さ,脆弱性は,数mm以下の手術操作の違いがしばしば重大な後遺障害につながる.前世紀末のニューロナビゲーターの登場によって幕を開けた画像誘導手術は,繊細な操作を可能にするマイクロサージェリーに,正しい進路と位置を示す羅針盤を付与したという意味で重要な技術革新であったといえる.

 ナビゲーションでは,術中の脳変形すなわちブレインシフトという根本的な問題が存在する.手術の進行に伴って,円蓋部病変では脳表が開頭縁より20mm近く落ち込むような変形や,下垂体腫瘍切除中の腫瘍組織の下垂など脳およびその周辺組織のダイナミックな変形は稀ならず経験する.こうした術中の脳変形は,術前画像を地図とするナビゲーションの信頼性を著しく損なう場合があり,ブレインシフトに対する適切な対応が急務である.これに対して,術中の脳形態の評価として術中MRI,術中CT,術中超音波,赤外線による脳形態の読み取りなど,さまざまなモダリティーが試みられており,これらの術中診断とニューロナビゲーションの統合が重要である.

解剖を中心とした脳神経手術手技

腰部脊柱管狭窄症

著者: 南学 ,   花北順哉

ページ範囲:P.443 - P.457

Ⅰ.はじめに─脳神経外科と腰椎手術

 過去の全国規模の調査によると,ここ数年間のわが国における脳神経外科医による脊椎・脊髄手術の経験が飛躍的に増大していおり,ことに腰椎疾患に対する関心が確実に高まりつつあることがうかがえる29).腰部脊柱管狭窄症は腰椎椎間板ヘルニアと違い,保存的療法による治療効果の期待が低いこと,また,より高齢の年代に起こりやすいことから3,4,25),今後,脳神経外科医が扱う脊椎・脊髄手術の中で,腰部脊柱管狭窄症に対する手術が,最も頻度の高い手術になることが予想される.この病態に対する理解と,必要な診断法と治療法の習得,各種手術法の習熟に努める必要がある11).本稿では,腰部脊柱管狭窄症の診断・治療を行う際に必要な解剖につき解説した後に,当センターで行っている腰部脊柱管狭窄症に対する手術手技について述べる.

研究

造影CTのvolumetric imagingを用いた外側後頭下開頭に対する術前評価法

著者: 大石誠 ,   福多真史 ,   斉藤明彦 ,   平石哲也 ,   藤井幸彦

ページ範囲:P.459 - P.465

Ⅰ.はじめに

 外側後頭下開頭法lateral suboccipital craniotomy(LSOC)は,小脳橋角部の腫瘍性病変の摘出や,三叉神経痛・片側顔面痙攣などの微小血管減圧術における基本的な開頭法である6,12).後頭後頚部が対象となる本開頭では,テント上開頭と比べて留意しておくべき血管系も複雑であり,これを迅速かつ確実に遂行するためには,開創から開頭にあたり遭遇する血管系の情報を術前に把握しておくことが望ましい.具体的には皮膚切開から後頚筋群の剝離中に遭遇する後頭動脈occipital artery(OA)の走行,骨を貫通して静脈洞と後頚部静脈叢を交通する2つの導出静脈emissary veins(mastoid emissary vein:MEVとposterior condylar emissary vein:PCEV)の発達度,横─S状静脈洞Transverse-sigmoid sinus(TSS)の骨表面のランドマークとの位置関係などが挙げられる.

 近年の3次元再構成造影CTでは,骨と血管系の立体的な情報を詳細に得ることが可能であるため,われわれはLSOCによる手術治療群の各症例において,術前にvolume renderingした3次元造影CTを用い,開頭に際し把握しておくべき血管系の術前評価を行ってきた.ここではその評価法の実際と,本症例群を通して得られた一般解剖の結果につき報告する.

症例

海綿状血管腫類似のMRI所見を示した甲状腺乳頭癌(thyroid papillary carcinoma)の孤発性脳転移

著者: 太田禎久 ,   鄭子文

ページ範囲:P.467 - P.472

Ⅰ.はじめに

 甲状腺乳頭癌(thyroid papillary carcinoma;TPC)は,甲状腺悪性腫瘍の65~85%を占めている1,15,17).遠隔転移は1~14%にみられ,主に肺や骨に転移し,脳への転移は0.1~5%と少ない1,3-5).しかも,脳転移が発見された時点で,既に肺や骨など他臓器に遠隔転移していることが多く,脳のみに遠隔転移が発見される症例は稀である1,3,11-13).また,原発巣や他の遠隔転移巣の症状ではなく,脳転移巣の症状で初発する症例も稀である2,5,6,11,12).われわれは,TPCの脳への単独転移によるけいれんで初発した症例を経験した.

 本症例のMRI所見は海綿状血管腫と類似していた.海綿状血管腫の術前診断で手術を施行したが,病理組織検査でTPCと診断され,原発巣の発見,治療,全身検索につながった.MRIで海綿状血管腫が強く疑われても,転移性脳腫瘍も考慮して対応することが重要である.

拡散強調画像で脳梁膨大部に可逆性高信号域を認めた低血糖性片麻痺の2例

著者: 香川賢司 ,   岡田仁

ページ範囲:P.473 - P.478

Ⅰ.はじめに

 低血糖症では一部の例で片麻痺や失語症などの巣症状を認める場合があることが知られている.このような例では多くが脳卒中の初期診断の下で急性期にMRIを含めた検査が行われるが,有意な所見に乏しいことも多く,脳梗塞やtransient ischemic attack(TIA)と誤診され低血糖症の診断が遅れる場合もある.今回,われわれは急性期に拡散強調画像(diffusion-weighted imaging,DWI)で脳梁膨大部に可逆性高信号域を捉えた低血糖性片麻痺の2例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

Far-out syndromeと腰部脊柱管狭窄症によりL5神経根症を呈した1例

著者: 佐々木学 ,   安部倉信 ,   中西克彦

ページ範囲:P.479 - P.484

Ⅰ.はじめに

 Far-out syndrome(以下,FOS)は,L5-S椎間レベルにおいて仙骨翼と横突起で囲まれた椎弓根外側のfar-lateral zoneでL5神経根が絞約されて症状を呈する稀な病態である.今回,われわれは腰部脊柱管狭窄症(以下,LCS)とFOSの合併によるL5神経根症を呈した症例を経験し,除圧術のみで症状を改善させることができた.文献的考察を加えて報告する.

脳動脈瘤塞栓術中にマイクロカテーテルの離断を来し,異物除去鉗子にて回収した1例

著者: 林健太郎 ,   北川直毅 ,   森川実 ,   諸藤陽一 ,   陶山一彦 ,   永田泉

ページ範囲:P.485 - P.490

Ⅰ.はじめに

 脳動脈瘤,脳動静脈奇形,硬膜動静脈瘻などに対する塞栓術は有効性が示され,ますます広がりつつある.塞栓術の合併症として,塞栓物質の迷入があり,異物を回収する手段も心得ておく必要がある1,4,6).今回,われわれは脳動脈瘤塞栓術中にマイクロカテーテルの離断を来し,異物除去鉗子にて回収した1例を経験した.症例を報告し,カテーテル離断,異物除去手技について考察する.

前方固定術が著効した頚椎症による難治性顔面痛・頭痛(cervicogenic headache)の1例

著者: 川堀真人 ,   飛騨一利 ,   矢野俊介 ,   岩﨑喜信

ページ範囲:P.491 - P.495

Ⅰ.はじめに

 顔面痛・頭痛の原因には多くの疾患が存在し,ときに診断に苦慮し,特発性などとされることも珍しくない.今回われわれは,4年間にわたる難治性左顔面痛の48歳女性患者において,C5/6レベルの頚椎症に対して前方からの除圧・固定術を行った結果,顔面痛・頭痛の完全な改善を得ることができた1例を経験した.頚椎疾患による顔面痛・頭痛(cervicogenic headache)について文献的考察を加えて報告する.

耳管通気による気脳症にて発症した錐体部髄膜腫の1例

著者: 山口慎也 ,   魏秀復 ,   宇野淳二 ,   伊飼美明 ,   伊野波諭 ,   長岡慎太郎 ,   西尾俊嗣

ページ範囲:P.497 - P.501

Ⅰ.はじめに

 日常の脳神経外科診療において,外傷や腫瘍,炎症による気脳症は比較的よく経験する病態である.今回われわれは,耳閉感に対し耳鼻科にて耳管通気が行われた後,気脳症を来した錐体骨縁部髄膜腫を経験した.稀な病態と考えられ,若干の文献考察を加え報告する.

コラム:医事法の扉

第37回 「専門委員」

著者: 福永篤志 ,   河瀬斌

ページ範囲:P.502 - P.502

 損害賠償を求める民事医療関係訴訟には,鑑定人に類似した専門委員という第三者が関与することがあります.医事関係訴訟に限らず,建築,知的財産権など,専門領域に知見を有しない裁判官だけでは判断が難しい事件が増えたため,現在の裁判では専門的知見が要求される傾向にあります.これに対応するためには,裁判所調査官による調査(裁判所法57条)が行われることもありますが,内容・範囲には限界があります.また,伝統的には鑑定制度(民事訴訟法151条1項5号,212条以下)がありますが,鑑定人の確保が困難なことが多く,手続きの迅速性に欠けます.そこで,紛争の早期解決のため,平成15年民事訴訟法改正により,裁判官の専門的知見を補うために専門委員制度が導入され(92条の2以下),医療訴訟では,鑑定と同じように,医師が専門委員として裁判に関与するようになりました.

 手続きとしては,裁判所は,争点整理手続き,あるいは,証拠調べを行う際に,当事者の意見を聴いて,専門委員の関与を決定することができます(92条の2第1項,2項).また,和解のために専門委員を関与させるときには,当事者の同意が必要となります(同3項).専門委員による説明は,書面または口頭で行い(同1項後段),裁判長は,当事者の同意を得て,専門委員に証人等に対して質問させることができます(同2項後段).専門委員は,裁判官のように,中立的専門家であることが要求されるため,裁判の公正が妨げられるような事情がある場合には,裁判への関与を辞退させられることがあります(除斥・忌避,92条の6,23~25条).

連載 脳神経外科疾患治療のスタンダード

6.無症候性脳腫瘍

著者: 堀口崇 ,   河瀬斌

ページ範囲:P.503 - P.510

Ⅰ.無症候性脳腫瘍の最近の動向

 MRIの普及により脳ドックのみならず,一般外来でも無症候性脳腫瘍(以下ABT)の発見率が増加している25).しかし,その対応の根拠となるエビデンスレベルの高いデータの蓄積は十分ではない33)

 日本脳ドック学会による「脳ドックのガイドライン2008(以下ガイドライン)」の冒頭には「発見される無症候性疾患の対応に関してエビデンスに基づいた強い勧告を行うレベルには達していない.」とある42).本稿では,ABTの診療に役立つと思われる論文をレビューし,本分野における現状,診療指針やその根拠,問題点を述べる.

海外留学記

Department of Neurosurgery, University of California, San Francisco・Brain and Spinal Injury Center(BASIC)

著者: 中川敦寛

ページ範囲:P.511 - P.515

留学に至るまで

 2008年8月から約2年の予定でカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)脳神経外科・脳脊髄外傷センター(BASIC)に留学しております.まだプログラムの途中ですが,現在進行形の生の声を発信したいと思います.

 私は2001年から約2年,東北大学流体科学研究所で衝撃波の脳神経系への応用を目的とした医工学研究に従事しました.既に他臓器においては衝撃波の血管・骨新生,膜透過性亢進作用を利用した非侵襲的治療が行われておりましたが,脳神経系への応用は容易ではありませんでした.しかし,これをきっかけに東北大学工学部の研究の一端に触れるとともに臨床に直結する医工学に興味をもち,その後も臨床の傍ら新しい医療デバイスの開発や画像の臨床応用に携わってきました.当時から留学希望はあり数カ所見学したものの,臨床に繋がるような勉強をしたいという希望に沿った機会に恵まれずにおりました.最近では仙台市立病院,東北大学病院高度救命救急センター勤務と続き,神経外傷に興味を持ち出した折,神経外傷学会で来仙されたManley教授の主催されるBASICへの留学の話をいただきました.

書評

『向精神薬マニュアル(第3版)』―融 道男●著

著者: 倉知正佳

ページ範囲:P.484 - P.484

 このたび,第2版から7年の歳月を経て,向精神薬マニュアル第3版が出版された.本書は,そのタイトルにふさわしく,個々の向精神薬の特徴,使い方,副作用が詳しく説明されているだけでなく,薬剤の作用機序,副作用の発生機序などが,精神薬理学に深い造詣を有する著者ならではの明快さで説明されている.薬物療法については,症例報告も丁寧に紹介されているので,臨場感をもって読むことができる.

 第1章抗精神病薬では,A.抗精神病薬開発の歴史に続いて,B.統合失調症の神経伝達物質仮説という新しい表題で脳画像研究が追加され,グルタミン酸仮説関係が前の版より詳しくなっている.C.抗精神病薬の種類と特徴では,特に非定型抗精神病薬について,その選び方やせん妄に対する治療を含めて詳しく記述され,ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストの明確な定義も述べられている.D.抗精神病薬の使い方は,非常に実際的・具体的で,E.抗精神病薬の副作用では,副作用の“症候学”,その発生機序,そして,治療法が具体的に述べられている.

〈脳とソシアル〉『社会活動と脳―行動の原点を探る』―岩田 誠,河村 満●編

著者: 地引逸亀

ページ範囲:P.490 - P.490

 東京女子医科大学の前任の神経内科教授岩田誠先生と昭和大学医学部神経内科教授の河村満先生の編集から成る本書は,2007年11月30日に岩田先生が東京女子医科大学弥生記念講堂で会長として主催された第12回日本神経精神医学会のシンポジウム「脳からみた社会活動」を基としている.ただし,実態はそのシンポジウムの域をはるかに超えて,シンポジストのみならず神経心理学や精神医学,脳科学,社会心理学,経済学,倫理学などに携わる臨床医や基礎系の医学者,心理学者,文学,経済学さらには工学系の学者までもが執筆者として名を連ねた甚だ学際的な書物である.編者らは先に『神経文字学─読み書きの神経科学』という編著を出版している.この従来の神経心理学の対象である失語や失行,失認,中でも読み書きという高次の機能の神経基盤からさらに進んで,本書のテーマは人間の行動,特に社会的行動の原点としての神経基盤についてである.本書は社会的行動の原点としての表情認知の脳内機構の章にはじまり,意思決定のメカニズム,理性と感情の神経学の3章から成っている.特に3章は衝動と脳,損得勘定する脳,親切な脳といじわるな脳,倫理的に振る舞う脳の4項に分けられ,それぞれの行動や判断の神経基盤について記述されている.これらに代表される各項の軽妙なタイトルには大いに惹きつけられる.これらの社会的行動の脳内機構に関する所見の多くが最近の機能的脳画像診断,特にfunctional MRIからの知見に拠っている.表情認知や社会的認知には扁桃体や前頭葉内側部が重要な役割を担い,意思決定には前頭葉・大脳基底核,直感的に言い換えれば多分に近視眼的な損得勘定には前頭葉帯状皮質,先を読んだ高度の損得勘定には前頭連合野を中心とする皮質・皮質下の脳領域が賦活され,倫理的判断や行動には比較的全体の脳領域が関与するという.項の終わりごとに「こぼれ話」として岩田先生が書いておられる小話がユーモラスでしかも機知に富んでいて楽しい.また本書の「はじめに」と「おわりに」の河村先生が聞き手となった岩田先生との対談も,本書が岩田先生の恩師である故豊倉康夫先生の最終講義をきっかけとしていることや神経経済学,神経倫理学という新しいジャンルがあること,自閉症研究との関係,正直脳と嘘つき脳という言葉や脳の三極化のお話などからうかがえる岩田先生特有の明快な切り口,さらにはコンクリートジャングルに住むダニの話などは岩田先生が日常,周囲の何にどんな関心や考えを持って生活しておられるかうかがい知ることができ大変興味深い.各項を担当した著者らの高い研究レベルや熟練された論述もさることながら,岩田先生の幅広くしかも高い学識や見識,広い交友関係,軽妙洒脱で物事にとらわれない御人柄がうかがえる1冊である.

『頭蓋顎顔面外科―術式選択とその実際』―上石 弘●著

著者: 川上重彦

ページ範囲:P.495 - P.495

 本書の著者である上石弘先生は長年近畿大学形成外科教授としてご活躍され,2006年にご退職された後はNPO法人クラニオフェイシャルセンターを立ち上げ,その理事長として頭蓋顎顔面外科を志す後進の指導に精力を傾けておられている.著者は日本における頭蓋顎顔面外科領域の草分け的存在であり,私も著者からご指導を受けた一人である.

 約20数年前,私は著者が北里大学におられたときに開催された上・下顎骨切り術のワークショップに参加し,その手術を見せていただいた.さらにその数年後,私は本学で行われた著者による斜頭症の手術の助手を務めさせていただき,その知識,技術を肌で感じさせていただいた.それ以降,私も頭蓋顎顔面外科への道を歩み始めたと言っても過言ではない.また,著者は医科と歯科のダブルライセンスをお持ちで,その修練をされているが,私はさまざまな機会において,頭蓋顎顔面外科における歯科的知識の重要性,さらにその技法を著者から教えられてきた.

Neurosurgical management of occult spinal dysraphism associated with OEIS complex

著者: 森岡隆人

ページ範囲:P.517 - P.517

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編集後記

著者: 片山容一

ページ範囲:P.524 - P.524

 この号にも,すばらしい原稿を多数いただいた.ご執筆いただいた先生方に深く御礼申し上げたい.

 植村正三郎先生が扉に書かれている「天草島から」には,わが国の医療を支える旺盛な使命感がその隅々に溢れている.そこには,「美徳の減退」が進む中で,必死に誇りを守ろうとするわが国の医師の姿がある.

基本情報

Neurological Surgery 脳神経外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1251

印刷版ISSN 0301-2603

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