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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科37巻6号

2009年06月発行

文献概要

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編集後記

著者: 伊達勲

所属機関:

ページ範囲:P.626 - P.626

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 本号の扉には,落合慈之先生から『Decursus Morbi』をいただいた.神経救急の診療に関して,一般国民に代表的疾患のDecursus Morbi(発症様式)の知識を広めることによって,不必要な救急受診を減らし,必要な救急受診をし損なうことを避ける,という示唆に富んだ提言である.先生のご指摘のように,病名と代表的症状は情報として流されているが,疾患ごとに発症様式がある程度タイプ分けできることを国民に周知することも重要であろう.その他,本号の斉木先生による『パーキンソン病の分子生物学』では,家族性については遺伝子の面から,孤発性については分子生物学的分析と発症形式の面から,詳しく解説されている.

 立場上,計画を練ったり,文章を作成したり,ということがよくある.ところが,その最中に携帯電話,院内PHS,インターネットなどでしばしば中断が入る.さて,それに対応した後,もとの思考過程に戻ろうとすると,どこまで考えていたのかを忘れていたり,いいアイデアが浮かんでいたはずなのに思い出せない,という経験がある.もともと勉強の時に音楽を聴きながらという「ながら族」より自分は少し上の世代であり,思考過程に入るとどちらかといえば静かな環境が必要である.最近の,携帯・PHS・インターネット常時接続状況では,これらの呼び出しによって中断された際に,終了後リカバリーできるよう,いつも気をつけるようにはしている.米国のオバマ大統領はブラックベリーというスマートフォンの愛好家で,大統領職に就いた後もその使用を続けるかどうか注目されていたが,家族などごく親しい者との間だけの連絡に限定するという条件で,現在も使っているとのことである.米国の大統領の重要事項決定思考過程に,スマートフォンの呼び出し音がじゃまをしては大変である.ニューズウィーク最新号によれば,情報を短期記憶に蓄積したあと,長期記憶に移動させる段階で分類が必要だが,このプロセスの間に中断が入ると情報が失われる可能性があるのだという.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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