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書評
『脳腫瘍臨床病理カラーアトラス 第3版』―日本脳腫瘍病理学会●編/河本 圭司,吉田 純,中里 洋一●編集委員
著者: 嘉山孝正1
所属機関: 1山形大・脳神経外科学
ページ範囲:P.845 - P.845
文献購入ページに移動 1988年に初版が発刊されて以来,脳腫瘍病理の解説書として瞬く間に若手の脳神経外科医,神経病理医の必携書になった『脳腫瘍臨床病理カラーアトラス』の第3版が,第2版以来10年ぶりに改訂された.本書は,神経病理,脳神経外科はもとより神経学,病理学に携わる多くの方から好評を得ているのは周知の通りである.その理由は,初版が発刊された目的にあるように,単に病理診断(組織学的特徴)のみならず,一つ一つの疾患におけるその組織学的特徴が,どのような病態,予後を辿るのかを体系立てて明らかとし,実際の治療に役立てんとすることに主眼を置いている,という他に類書がないためである.
どんな疾患を治療するにあたっても,「相手を知る」ということが最も重要である.本書は,それぞれの脳腫瘍において,その組織学的分類から,それぞれの腫瘍の本質,病因または病態生理と言い換えてもよいかもしれないが,これを明らかにしようとする意欲,つまるところ治療方針を決定することに役立つように考えられている.本書では,画像所見,組織所見(光学顕微鏡所見,電子顕微鏡所見),予後などに加え,最近の分子生物学,遺伝子学分野の知見も網羅されており,疾患単位で,現時点でわかっているその生物学的特性を簡潔明瞭に理解することができる良書である.
どんな疾患を治療するにあたっても,「相手を知る」ということが最も重要である.本書は,それぞれの脳腫瘍において,その組織学的分類から,それぞれの腫瘍の本質,病因または病態生理と言い換えてもよいかもしれないが,これを明らかにしようとする意欲,つまるところ治療方針を決定することに役立つように考えられている.本書では,画像所見,組織所見(光学顕微鏡所見,電子顕微鏡所見),予後などに加え,最近の分子生物学,遺伝子学分野の知見も網羅されており,疾患単位で,現時点でわかっているその生物学的特性を簡潔明瞭に理解することができる良書である.
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